ねらい

本居宣長が、『古事記』を研究し、儒教や仏教の影響を受ける以前の日本人の心を明らかにしようとしたことがわかる。

内容

江戸時代のなかば、「蘭学」とともに、「国学」がさかんになりました。日本は、中国や朝鮮、西洋の国々からさまざまな影響を受けていました。仏教やキリスト教などの宗教。儒教などの考え方。漢字などの文化です。外国からの影響を取りのぞいたところに、日本人の考え方が現れる、そう考えるのが「国学」です。宣長は、1000年以上前に書かれた『古事記』から日本人のすがたをさぐろうとしました。本居宣長は、「当時の人びとが話していた言葉」にもどせば、日本人の考え方に近づけるのではないか、と思ったのです。漢字を解読し、日本の言葉に読みかえていく作業を行いました。そして完成したのが『古事記伝』。研究を深める宣長の姿勢は、国学の発展に影響をあたえました。「国学」は、平田篤胤に受けつがれ、宣長たちの考え方を人びとに伝えました。「国学」の教えは、幕府や藩に反発する人びとの考え方に結びついて、幕府をゆるがす力になっていきます。

国学
江戸時代の中ごろ、国学がさかんになる。本居宣長は、古事記を分析・研究する。35年もの歳月を費やして、『古事記伝』を完成、国学に大きな影響をあたえた。