ねらい

平安時代にえがかれた絵巻から、貴族の優雅な生活や農民の質素(しっそ)なくらしのようすがわかる。

内容

平安時代、宮廷に仕えた紫式部(むらさきしきぶ)は小説「源氏物語(げんじものがたり)」を書きました。それを絵であらわした「源氏物語絵巻(げんじものがたりえまき)」です。貴族たちの優雅(ゆうが)な生活がえがかれています。ひときわ目を引くのは女性たちが着る十二単(じゅうにひとえ)。はなやかな着物です。本を読んでいます。こちらの女性は琴をひいています。囲碁で遊ぶすがたもあります。では、このころ、都の外では人びとはどんなくらしをしていたのでしょうか?こちらは、それを伝える絵巻です。「信貴山縁起絵巻(しぎさんえんぎえまき)」といいます。畑で女性が野菜を採っています。つましい着物を着て、右の女性は赤ん坊をおぶっています。家の屋根はうすい板張りです。中では糸をつむいでいます。奥には猫が1匹。二つの絵巻から、平安時代の貴族のくらしと、庶民(しょみん)のくらし。それぞれのようすがよくわかります。

平安時代のくらしを伝える絵巻
源氏物語絵巻には貴族たちの生活が、信貴山縁起絵巻には都の外での人びとのくらしぶりがえがかれている。2つの絵巻から平安時代の違ったくらしのようすが読み取れる。