ねらい

地域特有の自然環境が暮らしや産業に与える影響について考える。

内容

東北地方の太平洋側では、夏、「やませ」と呼ばれる冷たく湿った風がふくことがあります。やませが吹き続けると、霧などが発生しやすくなり、日照不足と、気温の低下を引き起こします。すると、稲が十分に育たなくなったり、病気が発生しやすくなったりします。収穫が少なくなる「冷害」の被害にみまわれるのです。一方、奥羽山脈をこえて、日本海側には、比較的暖かくかわいた風が吹きおります。秋田県で「宝風(たからかぜ)」とよぶ地域があるほど、稲の成長に適した風です。乾燥した適度にあたたかい風が、病気をふせぎ、豊かな実りをもたらすのです。ところが、冬になると、日本海で湿気をたっぷり含んだ季節風が、日本海側に雪を降らせます。山間部を中心に、大きな被害をもたらすことがあります。

夏の冷害と冬の豪雪
夏の季節風「やませ」は、東北地方の太平洋側に冷害をもたらすことがあります。一方、日本海側は冬、豪雪にみまわれることがあります。