ねらい

明治政府が殖産興業、富国強兵に取り組むまでを紹介する。

内容

新しい国づくりを進める大久保に、大きな転機が訪れます。岩倉具視を中心とする使節団の一員として、海外視察のため欧米にわたったのです。大久保たちは、進んだ海外の情勢におどろきました。大久保が友人に送った手紙が残っています。「イギリスには町ごとに工場がある。リバプールの造船所、マンチェスターの木綿工場、製鉄所…。こうした多くの工場が、イギリスの強さの秘密だ」。大久保たち政府は、国が運営する「官営工場」を各地につくりました。その一つが、富岡製糸場です。さらに、紡績や兵器製造など、官営工場づくりを推し進めました。国を挙げて産業の発達をめざした政策を、「殖産興業」といいますさらに政府は、ヨーロッパにならい、強い軍隊をつくるため「徴兵令」を出します。全国民から20歳以上の健康な男子を集め、3年間軍隊に入ることを義務付けたのです。国を守る役目は国民全体に広がりました。

殖産興業と富国強兵
明治になってすぐ欧米を視察した岩倉使節団は、進んだ海外の情勢に驚いた。帰国後、国を挙げて産業を侵攻し、軍隊を強化することに取り組んだ。