ねらい

東京湾(わん)の水質汚濁(おだく)、静岡県田子の浦(たごのうら)のヘドロ、瀬戸内海(せとないかい)の赤潮(あかしお)など、日本の工業が発展(はってん)した一方で起こった、海や川の異変(いへん)について知ろう。

内容

日本の工業が急速に発展(はってん)した1960年代、全国に工場が作られました。そこから出る産業排水(はいすい)は、ほとんどが何の処理(しょり)もされないまま、川や海に流されました。京浜(けいひん)工業地帯のある東京湾(わん)はよごれ、静岡県の田子の浦(たごのうら)ではヘドロが悪臭(あくしゅう)を放ち社会的な問題に発展。また、瀬戸内海(せとないかい)では、水質のバランスがくずれ赤潮(あかしお)が発生、漁業に被害(ひがい)をもたらしました。特に有害な物質(ぶっしつ)が流された地域(ちいき)では、人体にまで影響(えいきょう)をおよぼし、病気や身体の障害(しょうがい)を訴える人々が出ました。これが「公害」です。国や地方自治体は、排水などに規制をかける法律を作りました。工場では、排水を処理する機械を設置(せっち)するなどの努力をし、しだいに水質はもどってきました。

水を汚(よご)してしまった歴史
全国に工場がつくられた1960年代、工場からの排水(はいすい)などにより、日本各地で海や川の水が汚され、大きな社会問題になりました。