ねらい

明治時代、最も進んだ技術と知識を用いて、十六橋水門の建設に取り組んだファン・ドールンの功績をとおして、いまの暮らしに生かされている先人の努力を知る。

内容

福島県にある猪苗代湖(いなわしろこ)です。湖の水は、安積疏水(あさかそすい)と日橋川(にっぱしがわ)に流れています。明治13年に建てられた十六橋水門(じゅうろっきょうすいもん)です。この水門をつくったファン・ドールンは、安積疏水にも、日橋川にも、同じように水を流そうと考えました。もともと、猪苗代湖の水は日橋川に流れ出ていました。ファン・ドールンは、新たに安積疏水に水が流れることで、日橋川に流れる水の量がへらないようにしようとしました。量水標を使って、湖の水の量をはかり、安積疏水に水を流すと、どれだけ湖の水の量がへるのか、計算しました。そして、日橋川のはばを40メートル広くし、川の底も60センチメートルほり下げました。こうして、安積疏水に水を流しても、日橋川にも十分な水を流すことができたのです。ファン・ドールンの努力を伝える十六橋水門は、今も使われ続けています。

オランダ人技術者(ぎじゅつしゃ)ファン・ドールンと十六橋水門(じゅうろっきょうすいもん)
オランダ人の技術者(ぎじゅつしゃ)ファン・ドールンは、当時最も進んだ知識(しき)を使って、川の工事と水門建設(せつ)に取り組みました。