ねらい

春の月山に咲くクロユリの様子がわかる。クロユリが強い匂いをもつ理由を知り、高山では厳しい自然環境に適応することが必要であるとわかる。

内容

東北の月山は、標高1970mの高山です。月山にも遅い春がやってきました。冬に耐えてきた植物はこの時を待っていたのです。七月中旬、花を開くのは、高山に咲く黒いユリ、クロユリです。やや茶色味を帯びた少し地味な花です。花の直径はおよそ3cmほど。花の中心で三つに分かれているのがめしべです。クロユリは、ハエなどに花粉を運んでもらいます。このためクロユリは、強い匂いがあります。雲海から朝日が昇りました。夜明けとともに気温は上昇します。高山では、昼夜の気温の差が激しいのです。クロユリは温度変化に敏感で、気温が上昇で、開花します。高山帯では、強い風が吹き荒れることもしばしば。クロユリは厳しい自然環境に適応し、その花を咲かせているます。そのため、十分に花が成熟せず、おしべだけで、めしべがない花も見られます。花が咲いているのは、およそ十日ほど。厳しい高山の自然環境に耐えるクロユリは、花を咲かせているのです。

ひっそりと咲くクロユリ
クロユリは、高山に生育する茶色味を帯びた黒色のユリです。ハエなどに花粉を運んでもらうので、ハエを引き付けるため、臭いほどの強い匂いがあります。