ねらい

里山では食物の栽培が豊かであることがわかる。土地の特色を大切にし人々の工夫や知恵がその土地を代表する作物をつくり上げていることに気づく。

内容

埼玉県西部の三富新田。畑と雑木林が隣り合う、里山の風景が広がっています。サツマイモが作られています。川越芋と呼ばれています。江戸時代に三富新田が開拓されたころから、盛んに作られてきました。おいしいサツマイモの栽培には、やわらかくて栄養のある土が欠かせません。土作りには、里山が大切な役割を果たしています。農家の人は毎年冬、木の葉が全て落ちると、山に入り落ち葉を集めます。畑にまく、たい肥にするためです。山積みにした落ち葉を2年間かけてじっくり腐らせます。2年後、落ち葉は栄養たっぷりのたい肥になります。このたい肥でなくてはおいしいサツマイモは作れないと、農家の人は言います。三富新田に残る江戸時代の文書です。「開拓のとき、家を構えた者にはナラの苗が3本ずつ配られた」と記されています。農家の人たちは先祖代々、この雑木林を大切に育て、守って来ました。川越芋は里山の恵みを受けてきたのです。

里山のめぐみ
先祖代々守ってきた雑木林の落ち葉で堆肥を作り、その土地ならではの作物を作ってきた農家の人たち。畑と雑木林が隣り合う埼玉県西部の里山の風景です。