ねらい

北海道の地域の気候に合わせた品種改良の過程を知ることができる。寒さに強いだけでなくおいしさを求める研究者の工夫に関心も持たせることができる。

内容

北海道の上川農業試験場では、冷害を防ぐために、低温に強い稲の品種をつくる品種改良が行なわれてきました。試験場の田んぼは、わざと冷たい水をはっています。普通の稲ならば育たない環境です。田んぼの水温を19度以下に設定しています。春先に水温が低くても育つ稲を選びだすためです。選ばれた稲は、気温を調節できる人工気象室に入れられます。そして夏場の低い気温でも、実る稲を選びだします。こうした品種改良によって、北海道の米作りはさかんになり、生産量日本一になりました。寒さに強い稲はできました。しかし味がよくないという欠点がありました。米の味は、含まれるタンパク質の量に左右されます。消費者はタンパク質が少ない米をおいしく感じるのです。寒さに強い米と、おいしい米をかけ合わせる研究が10年間、続けられました。そして誕生したのが北海道を代表する品種「きらら397」です。

北海道の稲の品種改良
北海道では寒さに強いだけでなく、味も良い品種の米を作る研究が行われてきました。北海道を代表する品種「きらら397」の誕生までを紹介します。