ねらい

稲の原種という赤米について長崎県津島の赤米の儀礼の様子から知ることができる。赤米が神様の米として受け継がれる理由を考えることができる。

内容

長崎県対馬(つしま)にあるこの町では、1000年以上も前から神事(しんじ)として赤米(あかまい)を栽培している集落があります。稲(いね)の原種(げんしゅ)と伝わる赤米の田んぼは、「神の田んぼ」とされています。ここで赤米を栽培している農家の人たちは「頭仲間」(とうなかま)といい、現在3軒(けん)で行われています。赤米の管理は1年交代で受け持つ事と決まっていて、その当番の家が「頭の家」(とうのいえ)といいます。神の米として作られたこの赤米は、手作業でていねいに整えられます。「頭の家」の床(とこ)の間は、赤米の御神体(ごしんたい)が、翌年の春まで収められるところとなります。赤米の米俵は、御神体として「頭仲間」の手により天井につるされます。この御神体の赤米は、翌年の種もみとして使われます。天井に吊るされた赤米の御神体は、海水で清められます。赤米は神様の米として、時代をこえて受け継がれてきました。

赤米をまもる農家
長崎県対馬のある集落では、1000年以上も前から神事として赤米を栽培しています。「神の田んぼ」で収穫される「神の米」、赤米の儀礼を紹介します。
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