ねらい

有田川だけに残る伝統的な漁法、徒歩鵜飼(かちうかい)に関心を持つことができる。漁業に関わる人々の工夫や道具に込められた知恵を知ることができる。

内容

和歌山県を流れる有田川は、高野山に源を発し、紀伊水道に注ぐ全長94kmの川です。水が澄んでいて、水遊びや鮎釣りが楽しめます。日が暮れると徒歩鵜飼(かちうかい)という昔ながらの漁が、夏に、行なわれます。有田川では、約500年前から鵜飼が行われてきました。鵜飼は、漁師さんが訓練した水鳥をつかって魚をとるやり方です。漁は夜、たいまつを持った漁師さんと、水鳥の鵜が、川に入って行ないます。漁師さんは手縄(たなお)と呼ばれる縄を鵜の首にまきます。鵜が魚を飲みこまないように、おさえるためです。ここでは魚の習性を上手く使っています。たいまつの火を照らすと、魚は一瞬、驚いて動きをとめます。鵜はその魚をとりますが、のどをおさえられているので、飲みこめません。漁師さんは、たくさんの魚をのどにためた鵜から、魚をはきださせます。漁師さんと鵜が一緒に川に入り、歩きながら魚をとる鵜飼は、今は有田川だけに残っています。

日本の川 和歌山県 有田川(ありだがわ)
有田川は高野山に源を発し、紀伊水道に注いでいます。500年ほど前から鵜飼が行われ、漁師と鵜が一緒に川に入って行う独特の「徒歩鵜飼」があります。