ねらい

出雲地方に古くから伝わる「藍染め」について知ることができる。藍染めの過程には、川の水が利用されていることを知り、関心を持つことができる。

内容

これは島根県の出雲地方に古くから伝わる嫁入り風呂敷です。この風呂敷は植物の藍からとれる青い染料を使って染められています。出雲市を流れる高瀬川は、長さ11キロの短い川です。江戸時代には、農作物などを積んだ高瀬舟が行きかっていました。そして明治時代になると、高瀬川に沿って風呂敷やのれんを染める染物屋さんが軒を並べるようになりました。藍染めは、布に糊を使って模様を描くことから始まります。糊をつけた部分は、染まらないで白い模様として残ります。模様つけがすむと、次に、布を染料の藍が入ったかめにつけて、染めます。染めた布が乾くと、高瀬川の水で洗います。川の水で洗うのは、藍がむらなく染まるためです。染めては、川の水で洗い、乾かし、また染める作業を10回以上くりかえします。最後に、余分な糊を落とすと、できあがりです。今、高瀬川で藍染めの仕事をしている染物屋さんは、この一軒だけになりました。

日本の川 島根県 高瀬川(たかせがわ)
出雲市を流れる高瀬川沿いでは、明治時代、藍染めが盛んでした。出雲地方の伝統的な嫁入り風呂敷などを藍で染めるのに、高瀬川の水が使われてきました。