ねらい

宮崎県追川の水が山を越えて棚田の農業用水として利用されていることを知る。80年以上も川の水が人々の生活を支えてきたことを考えることができる。

内容

宮崎県の北部、日之影町(ひのかげちょう)大人(おおひと)地区は戸数100戸ほどの集落です。山あいにあるこの集落では、階段状の田んぼ、棚田が山の上まで続きます。ここでは、米作りに欠かせない水を山をひとつ越えた追川から引いています。追川は、千メートルを越える山々が連なる高千穂連峰の、けわしい渓谷を流れています。全長およそ6kmの川です。追川と大人地区を結ぶ用水路は、80年前に作られました。用水路の長さは11kmあります。途中の山には、用水路のためにトンネルを掘り、6年の歳月をかけて完成させました。春。田植えの時期になると、追川から用水路へ水を引きこむ水門をあけます。追川の水が水路にそそぎこまれました。山を下り、トンネルを通ってきた水が、一枚、一枚の田んぼを潤していきます。田植えが始まるのは、棚田に一番水がきてから一週間後です。大人地区23ヘクタールの棚田の稲は、追川の水が育てます。

日本の川 宮崎県 追川(おいかわ)
高千穂連峰の渓谷を流れる追川の水は、川の全長よりも長い用水路を通って、山を一つ越え、日之影町大人地区の山の上の棚田の米作りに使われています。