ねらい

植物繊維から作った新素材の開発を通して、環境に優しいリサイクルの現状を知ることができる。

内容

2004年に開催された東京モーターショーで、一台の車が注目を集めました。車体には「再生木材」と呼ばれる、植物の繊維から作った素材が使われています。プラスチックや合成樹脂は使われていません。再生木材を生み出したのは、三重大学生物資源学部の研究室。木の断面を拡大して見てみると、細かい繊維が無数にあることがわかります。この研究室では、繊維どうしを結びつけているリグニンという物質に注目し、リグノフェノールという物質を合成することに成功しました。リグノフェノールを溶かした液に柔らかい繊維のかたまりを浸してみます。2分ほど置くと、柔らかい繊維のかたまりが硬くなりしました。これが再生木材です。このように再生木材は形を自由に加工することができます。また特別な液に浸すと、元の柔らかい繊維のかたまりに戻すことができます。石油を使ったプラスチックや合成樹脂に代わる、再利用可能な新素材として期待されています。

再生木材
植物繊維から作った素材を使った再生木材が開発され、プラスチックや合成樹脂に代わる新しい新素材として期待されています。