ねらい

土偶の様子から、縄文時代の人たちの宗教、精神生活について考える。

内容

縄文時代の遺跡からは、人をかたどった土製(つちせい)の焼き物が、多く出土しています。「土偶(どぐう)」です。初期の土偶は、板状の扁平なもので、やっと人形(ひとがた)と判別できるものも少なくありません。中期になると、立体的な像となり、細かい装飾もつけられるようになります。この眼鏡をかけたような目が印象的な「遮光器(しゃこうき)土偶」は、東北地方で多く出土しています。ところで、土偶は、何のために作られ、何に使われたのでしょうか。一つのヒントは、土偶は女性をかたどった物、しかも妊娠した女性が圧倒的に多いということです。これは、長野県のたな棚はた畑遺跡から、ほぼ完全な姿で出土した土偶で、「縄文のビーナス」と呼ばれています。縄文時代は、食べ物の多くを狩猟や採集で賄っていました。女性の妊娠を自然の恵みになぞらえて、豊かな実りを願い、あるいは感謝を捧げたのではないかと考えられています。

土偶
縄文時代の、人型の土器・土偶は何のために作られたのでしょうか?
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