ねらい

当時の造船技術を知り、遣唐使の苦難について考える。なぜ、それほどまでして中国に渡ろうとしたのかを考える。

内容

奈良時代から平安時代にかけて、唐の進んだ文化や制度を取り入れるために、遣唐使が派遣されました。894年に廃止されるまでのおよそ200年間で、十数回送られています。遣唐使は、はじめのうちは二隻の、後半には四隻の「遣唐使船」に乗って、唐を目指しました。一隻につき、百人ほど乗っていたと考えられています。全長およそ30メートル、幅は7~8メートル。二本の帆柱には、竹を編んで作った帆がつけられていました。しかし、この帆はあまり効率がよくなかったため、主に櫓(ろ)で漕いで進んでいたようです。船の安定度は極めて低く、大きな横波が来ると、簡単に転覆してしまったと考えられています。航海技術が未熟だった当時、渡航はまさに命がけでした。8世紀に送られた遣唐使のうち、すべての船が無事に往復できたのは、たった1回だけだったといいます。

遣唐使船
中国の進んだ文化を取り入れるため、遣唐使が送られました。
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