ねらい

農業生産力が向上するとともに、各地に工芸など新しい産業も生まれてきた事を知る。

内容

室町時代、灌漑(かんがい)の技術が進んで、農業生産力が大きく向上しました。この頃描かれた絵巻に、川の水を汲み上げる水車が見られます。一つの土地から、春から秋には水田として米を、秋から春には畑として麦や蕎麦などを収穫する「二毛作」が、全国に広まりました。また、田を耕すのに牛や馬を使うようになったことで、作業効率は格段に上がりました。牛や馬の糞は、とてもよい肥料にもなりました。稲作ばかりでなく、桑(くわ)・楮(こうぞ)・麻(あさ)など様々な農産物の生産力が上がり、それらを原料とする手工業品も多く作られました。このころになると、専門の職人が、登場しています。後に西陣織(にしじんおり)として知られるようになる京都の絹織物、宇治のお茶、奈良の三輪(みわ)そうめん等、地名を冠した特産物が商品となっていったのは、この頃のことだったとされています。

産業の発達
室町時代に農業技術が発展し、さまざまな産品が生まれました。