ねらい

各地方の自然的な特色について知り、それがどんな文化を生み出しているかに関心を持つ。

内容

岩手県を南北に連なる北上高地。1000m級の山々が連なる大きくなだらかな高原地帯です。北上高地の盆地に広がる遠野市は、この地方の交易の中心地でした。畑や山の産物、そして山を越えて運ばれた三陸海岸の海の産物がこの地域で取引されました。民話などの宝庫としても知られています。この山地では砂鉄がたくさんとれ、江戸時代から南部鉄器の製造が盛んです。北上高地には、初夏に「やませ」という北東の冷たい風がしばしば吹き、直接さらされる地域も多く、岩手県内では最も低温な地域です。この冷涼な気候を生かして、現在ではレタスなどの野菜の栽培が行われ、自動車道により東京方面へ出荷されます。1970年代、地域の活性化を目的に、北上山系開発計画が策定されました。その頃から、この地域では畜産が盛んになり、地域ぐるみで肉牛の生産も行われています。遠野市など、肉牛の生産地域では、夏は山に牛を放牧し、冬には畜舎で飼育しています。

岩手県の地域(北上高地)
岩手県を南北に走るなだらかな高地の様子です。