ねらい

各地の漁業生産の特色を知り、国際関係などによって、変化する産業のようすについて学ぶ。

内容

漁獲量が日本一の北海道。全国のおよそ2割を水揚げする、漁業が盛んな場所です。根室市の花咲港。ここはかつて、ロシアやアラスカ沿岸で、サケやマスなどを取る北洋漁業の中心でした。しかし、1970年代中ごろ、国際的な約束が交わされ、それぞれの国の岸から200カイリ、およそ370キロメートルの中に、外国の船は勝手に入って漁をしてはいけなくなりました。このころを境に、かつてロシアやアラスカの沿岸で自由にとっていたサケやマスの流し網漁の漁獲量は急速に減っていきました。そのため北海道では「獲る」漁業から「育てる」漁業に力を入れ始めました。ホタテ貝は稚貝から育てる養殖がさかんになりました。水揚げ量は全国のおよそ9割を占めるまでになりました。また、サケやマスの孵化・放流事業もさかんに行われるようになりました。海で成長し河口に帰ってきたサケをとる秋鮭漁が盛んになり、かつての北洋漁業をしのぐ勢いとなったのです。

北海道の漁業
北海道は全国有数の漁業基地です。北洋漁業から育てる漁業への転換が進んでいます。