ねらい

経済発展に成功した事例を見ながら、「南」の中で生じている国家間の格差を考える。

内容

遊牧生活を送るベドウィン族。かつては遊牧民の国だったサウジアラビアは、1970年代から、原油が採掘されるようになると、生活が激変。人口数万だった街は、450万の大都市になりました。原油で得られる莫大な資金をもとに工業化が進み、輸出が拡大、貿易黒字は、毎年数百億ドルに上っています。第二次世界大戦まで、イギリスの植民地だったマレーシアは、ゴムの生産量が世界一でしたが、独立後は、合成ゴムに押され需要が激減。そこで、外国資本や技術を取り入れた結果、東南アジアを代表する工業国になりました。その一方、戦争などで、経済発展から取り残された国もあります。人口1億3800万のバングラデシュもその一つ。同じ南の国でありながら、広がる経済格差を南南問題といいます。成長した国としては、インド、タイ、マレーシアなどのアジアの国々やブラジル、メキシコなどの中南米諸国、サウジアラビアなどの石油産油国があげられます。

南南問題
発展途上国に位置付けられていた中から経済発展を遂げた国もあります。「南」の中で経済格差が生まれています。