あらすじ一覧

水面をおおう ウキクサの秘密

ミクロワールド 水面をおおうウキクサの秘密 オープニング

ミクロワールド 水面をおおうウキクサの秘密 オープニング

水面を漂うウキクサ

田植えが終わったばかりの田んぼに、緑色をしたものが浮いています。ウキクサです。ウキクサはその名の通り、水面を浮いて漂い、流れ着いた場所であっという間にふえてしまいます。どんな秘密があるのか、探っていきましょう。

葉と茎が一緒になった「葉状体」

水中から水面のウキクサを見上げると、丸い葉のように見えるものがあります。これは葉と茎が一緒になったもので、「葉状体(ようじょうたい)」といいます。葉状体の真ん中から、根が長く垂れ下がっています。根がおもりとなって、強い波が来てもひっくり返りません。

水面に浮く利点

葉状体の中には、空気の入った大きな空洞が並んでいます。これが浮き袋になって水面に浮くのです。表面の細胞には、葉緑体がたくさんあり、光合成をします。表側には「気孔(きこう)」が並び、空気を出し入れしています。ウキクサは、水面に浮くことで、成長に必要な日光と水をふんだんに得ることができるのです。

ウキクサのふえ方

ウキクサはどのようにふえていくのでしょうか。葉状体から新しい葉状体が出てきました。葉状体にポケットのようなところがあり、そこから出てきています。葉状体は2日ほどで、およそ2倍に成長します。2日後、さらに新しい芽が出てきました。芽は葉状体の左右2か所から出てきます。新しい葉状体の付け根が伸び、糸のようになってつながっています。やがて糸は切れ、2つに分かれます。分裂を繰り返し、ふえるウキクサ。倍々にふえていき、3か月で400万倍になるといわれています。

世界で最も小さい花

ウキクサをよく見ると、大きなものや小さなものがあります。小さいウキクサは、アオウキクサ。長さ5mmほどです。アオウキクサから白っぽいものが突き出ています。これはなんと、花です。め花とお花があり、め花の直径は、わずか0.2mm。ウキクサの仲間は、世界で最も小さい花を咲かせます。花はやがて実を結び、種ができます。毎年、田んぼをおおうウキクサ。小さなウキクサにも、確実に子孫を残すためのしくみが備わっているのです。