あらすじ一覧

土を作る ダンゴムシ

ミクロワールド 土を作る ダンゴムシ オープニング

ミクロワールド 土を作る ダンゴムシ オープニング

落ち葉をすみかにするダンゴムシ

雑木林(ぞうきばやし)の地面には、毎年たくさんの落ち葉が降り積もります。そんな土の上に、丸くなった小さなものがいました。おなじみのダンゴムシです。おもに、地面に積もった落ち葉をすみかにしています。

えさは落ち葉や虫の死がい

ダンゴムシは、薄暗く湿った環境を好むだけでなく、すみかにしている落ち葉を食料にもしています。落ち葉のほかに、ほかの虫の死がいなどもえさにしています。食べたものの残りかすは、糞(ふん)として出します。この糞が、植物が育つための良質な土となるのです。

ダンゴムシの幼虫

ダンゴムシはエビやカニの仲間で、卵をおなかの中でかえします。一度におよそ100匹の幼虫が母親の体から出てきます。幼虫の大きさは、1mmもありません。生まれたばかりですが、ちゃんと殻(から)を持ち、その体は親とほぼ同じ機能を備えています。森に雨が降ってきました。ダンゴムシは、水をおしりの先から吸収します。まだ乾燥に弱い幼虫は、さかんに水分を補給します。

好物は柔らかくなった落ち葉

雨で湿った落ち葉に、白い糸のようなものが広がっていきます。カビです。カビは落ち葉の表面をとかして柔らかくします。柔らかくなった落ち葉は、ダンゴムシの幼虫の大好物です。柔らかくなった落ち葉をいっせいに食べ始める幼虫たち。体の中に透けて見える茶色いものは、消化管の中に詰まった落ち葉です。ダンゴムシは赤ちゃんの時から、森の土を作り出しているのです。

7回脱皮して成虫へ

ダンゴムシはかたい殻を持っているため、大きくなるには殻を脱ぐ必要があります。ダンゴムシは、体の前半分とうしろ半分の2回に分けて脱皮します。殻は何枚にも分かれているように見えますが、抜け殻はばらばらにはなりません。ひとつながりになっているのです。幼虫は、7回ほど脱皮して成虫になります。ダンゴムシの寿命はおよそ3年。その間、落ち葉を食べ、子どもを産み、豊かな土を作り続けているのです。