あらすじ一覧

オープニング

(オープニングタイトル)

scene 01リンネの「二命名法」

スウェーデンの生物学者カール・フォン・リンネは、「分類学の父」といわれています。生物の学名を、属名(ぞくめい)と種小名(しゅしょうめい)の2つのラテン語で表す「二命名法」を確立しました。またリンネは、花を植物の最も大切な部分と考え、その構造から24に分類、およそ8000の植物に振り分けていきました。植物はどんな点に注目して分類されているのでしょう。

scene 02離弁花と合弁花

植物は花の形によって分類することができます。花びらが1枚ずつ離れているものを離弁花(りべんか)類といいます。リンゴの花は花びらが5枚あります。柿(かき)の花は花びらは4枚。それぞれの果実の形を上から見ると、リンゴは5角形、柿は4角形。輪切りにすると、リンゴの種子は5つ、柿の種子は4の倍数の8つ。これは偶然ではなく、花びらの数に関係しているのです。一方、花びらがつながっている花を合弁花(ごうべんか)類といいます。花びらのつき方で2種類に分類できるのです。

scene 03双子葉と単子葉

植物は発芽のしかたによって分類できます。アサガオの種をまくと、土の中から子葉が出てきます。その数は2枚。このように、子葉が2枚ある植物を双子葉(そうしよう)類といいます。一方、トウモロコシの種をまくと、出てくる子葉は1枚。このように、子葉が1枚しかない植物を単子葉(たんしよう)類といいます。

scene 04葉・茎・根の違い

双子葉類と単子葉類では、葉や茎、根にも違いがあります。双子葉類の葉では葉脈は網目状になっています。単子葉類の葉脈は平行になっています。茎の断面を比べると、水や養分の通る管が、双子葉類は輪の形に並び、単子葉類はばらばらに散らばっています。根を比べると、双子葉類は太い1本の主根(しゅこん)とそこから伸びる側根(そっこん)からなり、単子葉類は主根がなく、ひげ根(ね)がたくさん生えています。発芽のしかたや葉、茎、根の特徴で、双子葉類と単子葉類に分けられるのです。

scene 05被子植物と裸子植物

植物は種子のつくりによって分類できます。サクラの子房(しぼう)の中には胚珠(はいしゅ)があります。胚珠は受精後に種子となり、子房は成長して果実になります。このような、胚珠が子房で包まれている植物を被子(ひし)植物といいます。一方、マツの胚珠は子房がなく、むきだしで、これが種子となります。胚珠がむきだしになっている植物を裸子(らし)植物といいます。マツは花粉が胚珠に直接ついて受粉し、受粉後1年で若いマツカサを持つ果実となります。さらに1年たって成熟すると、カサが茶色くなって開き始め、種子が地面へと落ち、発芽します。

scene 06種子をつくらない植物

植物のなかには、花が咲かない、つまり種子をつくらないものもあります。シダ植物やコケ植物などです。どのようになかまを増やしているのでしょうか。シダ植物は胞子(ほうし)で増えます。シダ植物の葉の裏に、丸い小さな粒の集まりが並んでいます。これは、胞子がつまった袋、胞子のうの集まりです。胞子のうがはじけると、中の胞子が飛ばされます。地面に落ちた胞子が発芽し、新しいシダへと成長していきます。

scene 07種子をつくるか胞子をつくるか

コケ植物も種子ではなく胞子で増えていきます。雌株(めかぶ)と雄株(おかぶ)があり、雄株のカサに水がたまると、カサの内部の造精器(ぞうせいき)でつくられた精子が出てきます。雌株の中には造卵器があり、その根元の丸い形のものが卵細胞です。雨が降ると、雄株のカサからこぼれ落ちた無数の精子が水の中を泳ぎ、そのうち一つだけが卵細胞と受精します。受精した卵細胞は成長し、やがて胞子をつくります。袋から飛び立った胞子は条件のよい場所に着くと発芽します。このように、植物は種子をつくるか胞子をつくるかによって分類できるのです。