あらすじ一覧

オープニング

(オープニングタイトル)

scene 01生物が仲間の数を殖やす「生殖」

単細胞生物のアメーバは、体細胞分裂によって二つに分かれ、仲間を殖やします。仲間の数を殖やすことを、「生殖」といいます。多細胞生物の場合はどうでしょう。イモリの体細胞分裂では、細胞の数は増えても、仲間の数は殖えません。では、多細胞生物はどのように生殖を行っているのでしょう。

scene 02子孫をのこすための細胞「生殖細胞」

卵から生まれたメダカの赤ちゃん。メダカは、どのように生殖するのでしょう。メダカの親の雄と雌を観察すると、雌が卵(たまご)を産むのに合わせて、雄が精子を出しています。精子は、雄の精巣で作られます。一方、卵(らん)は、雌の卵巣で作られます。これらは子孫をのこすための特別な細胞で、「生殖細胞」といいます。

scene 03精子と卵による「有性生殖」 

受精する前の卵(らん)には、表面に、精子が入る穴が一つだけあります。ラッパのような形をした部分です。まわりを泳いでいる精子が、卵の中に入りました。こうして、精子の核と卵の核が合体すると、新しい細胞、「受精卵」ができます。中ではやがて、頭や心臓などができてきます。受精卵が成長し、からだのつくりとはたらきが完成していく過程を、「発生」といいます。このように、雄と雌が関わって子孫を作る生殖を、「有性生殖」と呼びます。

scene 04受精卵の成長

イモリの受精卵が成長する様子を見てみましょう。受精しておよそ2時間後、卵(らん)の真ん中で二つに割れていきます。それから1時間後、今度は四つになりました。その後も細胞がどんどん分かれていきました。受精卵が細胞分裂を始めてから、自分で食物をとることのできる個体となるまでを、「胚(はい)」と呼びます。受精卵はこのようにして、分裂しながら成長していくのです。

scene 05植物の有性生殖

植物の有性生殖の例を見てみましょう。イネの花の黄色い部分が、おしべ。その根元にある小さなものが、めしべです。風が吹いておしべから花粉が落ちると、めしべに花粉がついて受粉します。特殊な方法で見ると、花粉の様子を見ることができます。映像で緑色に光っているのが花粉です。卵細胞は、子房(しぼう)にある胚珠(はいしゅ)の中にあります。受粉すると、精細胞が入った花粉管が、胚珠に向かって伸びていきます。精細胞のうち、一つだけが卵細胞に到達し、受精卵ができます。

scene 06受精卵が細胞分裂を繰り返し…

受精卵はその後、二つに分かれ、さらに、四つに分かれます。特別な方法で核に色をつけて見ると、その後も分裂をしていくのがわかります。成長したもみの中の一部が、胚(はい)。受精卵が細胞分裂を繰り返してできたものです。根や葉となる部分はここに入っています。これが、植物の有性生殖です。

scene 07雄と雌を必要としない「無性生殖」

メダカは有性生殖で個体を殖やしますが、生物のなかには雄と雌を必要としないものもあります。受精をしないで殖える「無性生殖」です。単細胞生物のアメーバは、細胞分裂によって個体を殖やしていきます。このような無性生殖を、「分裂」といいます。一方、多細胞生物のヒドラは、からだの一部がくびれて、そこに親と同じ形をした子ができます。このような無性生殖を、「出芽(しゅつが)」といいます。

scene 08植物の無性生殖

植物にも無性生殖をするものがあります。オランダイチゴは、横に伸びた茎の先に、新たに根が出る場合があります。これが新しい個体となります。ジャガイモの場合は、種子ではなくイモを土に植えるだけで、新しい個体を殖やすことができます。からだの一部から新しい個体を作る植物の無性生殖を、「栄養生殖」といいます。

scene 09無性生殖の特徴

ジャガイモは通常、無性生殖である「種イモ」で個体を殖やします。しかし、花を咲かせ、果実をつけることもあります。この場合の生殖は、有性生殖です。果実の中にある種子は、受精によってできたのです。無性生殖と有性生殖の違いは何でしょう。無性生殖の場合は、子は、親の染色体をそのまま受け継ぐのが特徴です。そのため、子は親とまったく同じ形質を持ちます。また、個体を殖やすスピードが速いのも特徴です。

scene 10有性生殖の特徴

一方、有性生殖の場合は、子の細胞が両方の親から染色体を半数ずつ受け継ぐのが特徴です。そのため、子は親と異なった形質を持つことがあります。ジャガイモの品種改良は、有性生殖で行います。一方、普段はその品質を保つため、無性生殖で殖やします。農業では、生殖のしくみをうまく利用しているのです。