あらすじ一覧

戦争そして戦後

オープニング

オープニングタイトル

scene 01明治以降の激動の時代

中村獅童(なかむら・しどう)歴史研究所では、日本の歴史に名を残した人々の業績やその思いを研究してきました。古代、占(うらな)いで国を治めた卑弥呼(ひみこ)から、明治の小説家・夏目漱石まで、すばらしい才能と懸命(けんめい)な努力をした人ばかりでした。『歴史にドキリ』。今回は、明治以降の激動の時代を見ることにしましょう。

scene 02外国との戦争を経験していく日本

明治時代、「富国強兵」をかかげた日本は、やがて外国との大きな戦争を経験します。1894年には清(しん)、今の中国と、1904年にはロシアと戦争し、ともに勝利してアジアの強国となりました。しかし、昭和に入ると、世界中が不景気になり、都市では失業者が増加。農村では不作が続き、経済は停滞(ていたい)します。日本はこれを打開しようと考え、中国の東北部に満州国(まんしゅうこく)をつくります。そして、広大な土地と豊かな資源を求め、中国各地を武力で次々と占領(せんりょう)。日中戦争となりました。

scene 03すべての国民を巻きこんだ太平洋戦争

日本はさらに、石油や鉄などを求めて東南アジアや太平洋の島々にも軍隊を進めます。この動きを警戒(けいかい)したアメリカやイギリスなどは、石油の輸出を禁止するといった制裁を日本に加えました。これに反発した日本は、1941年、ハワイにあるアメリカ軍の基地を爆撃(ばくげき)。太平洋戦争が始まりました。日本では男の人が次々に戦場に送り出され、残った女性たちも、国を守るためにと訓練を重ねました。武器を作る工場で働く子どもたち。すべての国民が戦争のうずの中に巻きこまれていったのです。

scene 04ドキリ★15年間、戦争を続け多くの犠牲をはらった

アメリカを中心とする連合軍は、圧倒(あっとう)的な軍事力で日本軍を各地で破り、やがて日本本土への空襲(くうしゅう)を開始します。その空襲から子どもたちを守るために、安全な地方に移動させる「疎開(そかい)」も行われました。勉強以外に農作業も行うなど、きびしい毎日。親と遠くはなれた生活は、さびしくつらいものでした。そして、1945年8月6日に広島、9日には長崎に原子爆弾(ばくだん)が落とされ、一瞬(いっしゅん)にして何万人もの人々が亡くなりました。8月15日、日本は降伏(こうふく)。日本だけでも300万人以上の犠牲(ぎせい)をはらった戦争は終わりました。

scene 05戦後の日本の道のりは

国と国、人と人が争い、多くの命がうばわれた戦争。わたしたちの両親や祖父母が実際に体験した歴史です。では、戦争を終えた日本が、その後どのような道のりをたどって今の社会をつくったのか、見てみましょう。

scene 06平和をねがう民主的な国家として

戦後の日本は、アメリカを中心とする連合軍に占領(せんりょう)され、民主的な国家として歩み始めます。新しい憲法「日本国憲法」では、国民が主権を持つこと、すべての人が持つ「人間としての権利」を尊重すること、そして、永久に戦争をしないことが定められました。1950年、朝鮮戦争が起き、アメリカ軍から物資の発注を受けたことで、日本経済は活気を帯びます。翌年のサンフランシスコ講和会議で、日本は48か国と平和条約を結び、国際社会に復帰します。日本経済はその後も発展を続け、高度経済成長が始まります。

scene 07世界第2の経済大国へ

そして1964年、アジアで初めてのオリンピックが東京で開かれました。競技会場をはじめ、高速道路や新幹線が建設され、日本の復興と発展を世界に示しました。一般(いっぱん)の家庭にも、テレビや冷蔵庫、洗濯(せんたく)機などの電気製品が普及(ふきゅう)しました。1970年代には、カラーテレビ、クーラー、自動車が人々のあこがれとなり、生活はどんどん豊かになりました。敗戦からわずか20年あまりで急速な経済成長をとげた日本は、当時、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国となりました。

scene 08ドキリ★急速な経済成長をとげ先進国となった

それからおよそ40年。昭和から平成にかわった今も、日本は先進国の一つとして歩んでいます。民族や宗教のちがいから生まれる紛争(ふんそう)。無差別に人の命をうばうテロ。世界的に進む環境破壊(かんきょうはかい)。こうした世界の問題に、日本はどう向き合うのか。敗戦から立ち直り、急速な経済成長をとげ、豊かな生活を手に入れた日本だからこそできることがあるはずです。

scene 09「歴史ほどドキリとするものはない」

明治から昭和、そして平成の今。今という時は、その前の何百年、何千年という長い歴史とつながっています。そして、目の前に広がる「明日」という未来。過去から未来へ、歴史をつなぐのは、あなた方です。「♪歴史ほど ドキリわくわく 心おどるものはない…♪」。それでは、また会いましょう!