あらすじ一覧

オープニング

(オープニングテーマ)

scene 01「鎖国」から開国へ

江戸時代、幕府はかぎられた国としか付き合わない「鎖国」政策をとってきました。その日本に、欧米の国々が開国を迫ります。開国をきっかけに、およそ260年続いた江戸幕府の力は弱まり、新しい政治のしくみが模索されるようになります。

scene 02ペリーの来航

今からおよそ150年前の1853年、4隻のアメリカの軍艦が日本の浦賀(うらが)沖にやって来ました。率いていたのは、アメリカ海軍提督マシュー・ペリー。ペリーは幕府に、開国を迫るアメリカの国書を手渡しました。その翌年の1854年、ペリーは国書に対する回答を求めて、再び来日しました。強硬な姿勢で臨むペリーと幕府の話し合いが始まりました。その結果、およそ1か月後に「日米和親条約」が結ばれることになりました。条約は12か条からなっています。

scene 03日米和親条約

日本とアメリカが友好的に付き合うこと。下田と箱館(はこだて:現・函館)に、アメリカの船が燃料を補給できる港を開くこと。船が難破したときに乗組員を保護し、水や食料を与えること。そして、下田の港にアメリカの領事館を置くことなどが決められました。しかし、鎖国を貫こうとした幕府は、アメリカの求める「貿易」は認めませんでした。

scene 04日米修好通商条約

条約を結んだ2年後。アメリカから総領事タウンゼント・ハリスがやってきました。そのころ、中国はイギリスやフランスとの戦争に敗れ、不利な条約を押し付けられていました。ハリスは「このままでは日本も中国と同じようになってしまう」と幕府を脅し、アメリカとの貿易を強く迫りました。1858年、幕府はアメリカと、14か条からなる「日米修好通商条約」を結ぶことを決意しました。この条約で、日本の5か所の港にアメリカの船が出入りし、貿易を行うことを認めました。

scene 05不平等な条約

14か条の中には日本に不利な内容が含まれていました。一つは、治外法権。日本で外国人が罪を犯しても日本の法律で裁くことができないこと。もう一つは、関税自主権がないこと。品物を輸入するときにかける税金を決める権利、関税自主権が、日本にはなかったのです。いずれも、アメリカにだけ都合がいい内容です。幕府はアメリカに次いでオランダ、ロシア、イギリス、フランスとも同じような内容の不平等な条約を結びました。日米修好通商条約が対等な条約に改正されたのは、1911年。50年以上もあとのことでした。

scene 06尊皇攘夷運動の高まり

不平等な条約のもと貿易が始まると、物の値段が上がり、人々の生活は苦しくなり、幕府に対する不満が高まっていきました。混乱のなか、身分の低い武士を中心に広まっていったのが「尊王攘夷(そんのうじょうい)」という考え方です。尊王、つまり「天皇と朝廷を中心にした政治をしよう」という考えと、攘夷、すなわち「外国を排除しよう」という考えが結びついたものです。尊王攘夷を掲げる人々は、幕府と武力で激しく衝突を繰り返していました。

scene 07欧米列強の力を知った長州藩・薩摩藩

その中でも大きな力を持っていた長州藩と薩摩(さつま)藩。その長州藩で、外国船を攻撃する事件が起こりました。しかし、アメリカやフランスなどから報復を受けて町は焼き尽くされ、砲台も占拠されます。外国の力を知った長州藩は、「攘夷(じょうい)は不可能だ」と考えるようになります。その一年ほど前、薩摩藩もイギリスと戦い、敗れていました。攘夷は難しいと考えるようになった薩摩藩と長州藩。しかし、二つの藩は激しく対立していました。

scene 08薩長同盟の締結と坂本龍馬

力を持つ薩摩と長州が手を組めば新しい日本を作れると考えたのが、土佐藩出身の坂本龍馬です。龍馬は、武器を欲しがっていた長州藩に薩摩藩の武器を、米を欲しがっていた薩摩藩に長州藩の米を、それぞれが必要なものを取り引きさせました。これをきっかけに、1866年、「薩長(さっちょう)同盟」が結ばれます。薩摩藩の西郷隆盛、長州藩の桂小五郎(のちの木戸孝允)、それに坂本龍馬が加わり、約束が交わされました。

scene 09尊皇攘夷から倒幕へ

長州藩の桂小五郎が薩長同盟の内容をまとめた手紙には、「戦いが起こったときは、双方お互いに協力しあう」と記されています。そしてこの手紙の裏には、内容に間違いないことを龍馬が証明する文章と署名があります。これを機に、「尊皇攘夷」という考え方は、「倒幕」、つまり「幕府を倒し、朝廷中心の新しい体制を作ろう」とする動きへと変わっていきました。

scene 10徳川慶喜の大政奉還

薩長同盟以降、倒幕の動きが激しくなっていきます。こうした状況のなか、1867年、将軍徳川慶喜(よしのぶ)は、将軍の職を辞し、政権を朝廷に返しました。「大政奉還(たいせいほうかん)」です。将軍とは、朝廷から与えられる「征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)」という役職です。慶喜が将軍の職を返したことで、260年続いた江戸幕府は終わりました。そして天皇のもと、薩摩や長州を中心とする新たな政府が作られました。

scene 11新政府の誕生

新しい政府は、国がめざす方向を示しました。「五箇条の御誓文(ごかじょうのごせいもん)」です。その第一条、「広く会議を興し、万機公論に決すべし」。これは、「人々の声を大事にして、優れた意見を取り入れ、政治を行おう」という意味です。1868年、幕府や藩を中心とした社会から、「明治」という新しい時代が始まりました。