あらすじ一覧

マチはどう変わっていくんだ?

scene 01マチのミライ?

ハジメが、まちを見下ろしながら何か考えこんでいます。「まじめな顔して、どうかしたのか?」とズビ。するとハジメは、「ぼくたち、今までまちのことをたくさん調べてきただろ? でも、このまちの未来(みらい)ってどうなっていくんだろう?」と言いました。「マチの、ミライ…?」とふしぎそうなズ。「市役所に行けば、何か教えてくれるかな?」とハジメ。「おおー! あんなにやる気のなかったハジメが、自分から行動を起こすなんて!」とおどろくズビ。「よーし、オイラもマチのミライについて調べたいぞ!」。ところが気がつくと、もうハジメはいなくなっていました。「待ってよハジメ~!」

scene 02まちは今どんなじょうきょうなのか

ハジメとズビがやってきたのは民奈野市の市役所。前に、まちの公共(こうきょう)しせつについて調べたときにお会いした水谷さんをたずねました。「水谷さん、こんにちは」とあいさつするハジメ。ところがズビは、いきなり「水谷さん! このマチのミライを教えてくれ!」。すると水谷さんは、「このまちの未来(みらい)を考えるには、まず、まちが今どんなじょうきょうなのかを知ることが大切かもしれませんよ」と言いました。水谷さんによると、今、まちはいろいろな課題(かだい)をかかえているそうです。たとえば…。

scene 03民奈野市がかかえる問題

山間地域(ちいき)では、人口がへってお年よりがのこり、ほかの地域との交流が少なくなっています。農業地域では、若者(わかもの)が進学やしゅうしょくでまちを出てしまい、あとをつぐ人がいなくなっているといいます。そしてまちの中心部は、「昔は何でもそろって、多くの人でにぎわう活気のある場所だったんですが、最近(さいきん)は商店街(がい)に来る人もへってしまって、元気がなくなっているんです」。でも、「実は今、まちの中心部をもっとみりょくあふれる場所にしていこうとがんばっている人たちが商店街にいるんですよ」と水谷さんが言いました。

scene 04商店街の駐車場が!

水谷さんに教えてもらってやってきたのは、商店街(がい)にある駐車(ちゅうしゃ)場。ふつうの駐車場に見えますが…。駐車場の管理(かんり)をしている鈴木(すずき)さんに案内(あんない)してもらうと…。「おお、なんだこれ! 駐車場なのに子どもたちが自転車で遊んでる!」とハジメはびっくり。「ここは駐車場だけど、いつも使っている車が少ないので、市民(しみん)の方に楽しく使ってもらえる場所としてていきょうしていて、今日は自転車で楽しんでいる」とのこと。「へえー、おもしろいなぁ」と感心するハジメ。鈴木さんは、商店街に来る人をもっとふやしたいと考え、この取り組みを始めたそうです。

scene 05新たなにぎわいを生み出す取り組み

今、商店街(がい)の人たちは、新たなにぎわいを生み出すためにさまざまな取り組みを行っています。およそ100年前からつづく着物のお店ではたらく大石さんもその一人です。大石さんが考えたのは、手作り品だけを売るバザー。商店街にそってつづく歩道に、だれでもお店が出せるのです。手作りの人形やおいしいお菓子(かし)などを売るお店が、通りいっぱいにならぶのだそうです。お店の人と会話を楽しめることも話題になって、毎年1万5千人がおとずれる大イベントになっています。「見て楽しんで、話して楽しんで、買って楽しい体験(たいけん)ができる商店街にしたい」(大石さん)。

scene 06新しいお店もふえてきた

にぎわいが生まれつつある商店街(がい)に新しいお店もふえてきました。10年前までお店がほとんど入っていなかったビル。今では本屋さんや雑貨(ざっか)屋さんなど13のお店が入っています。しかも、店主のほとんどが三十代のわかい人たち。この商店街にみりょくを感じ、まちの外から協力(きょうりょく)しようという人もあらわれました。建築士(けんちくし)さんです。専門知識(せんもんちしき)を生かして、新しい店のデザインなどわかい人たちの店作りを手つだっています。「マチの人たちが考えたアイデアや工夫(くふう)が、新しい人たちをよびこんで、マチが生まれかわろうとしているんだなぁ」とズビ。

scene 07将来のにない手を育てる

市役所でも、地域(ちいき)の課題(かだい)を乗りこえようと取り組んでいます。たとえば、人口がへってお年よりがのこってしまった山間地域では、すむ人たちをふやそうと、自然(しぜん)ゆたかな地域のみりょくをアピールしています。地域に新たな仕事も用意して、さまざまな世代の人たちがはたらいてくらせるようにつとめています。あとつぎ不足になやむ農業地域では、農家の仕事に興味(きょうみ)があるわかい人たちに、仕事を手つだってもらう取り組みをしています。農作物の育て方や出荷作業などを教えることで、将来(しょうらい)のにない手を育てていこうとしているのです。

scene 0830年後の未来のまちづくり

未来のまちを今よりくらしやすいものにしようと、市ではいろいろな計画を考えています。「まちをよくしていくために、まち全体を30年かけてかえていく計画を考えているんです」と市役所の磯部(いそべ)さん。「30年ですか!?」「そんなにかかるのか~!」とハジメとズビ。「でも30年後、今小さな子どもたちが大人になったときに幸せなまちでくらせるようにと考えたら、がんばれますよ」と磯部さん。「たしかにそうですね!」「ウンウン」とハジメとズビもなっとく。「30年後の未来(みらい)か…なんだかわくわくしてきたな。よーし、ぼくもがんばって、このまちの未来をよくしていくぞ~!」。「お~!」

scene 09まちはさまざまな取り組みをしていた

部屋にもどったハジメは、調べたことをイラストにまとめます。そして…、「できた!」。まちは今いろいろな課題(かだい)をかかえていて、解決(かいけつ)するための取り組みをしていました。まちの中心部では、商店街(がい)に新しいにぎわいを作り出し、楽しめるまちをめざそうとがんばっていました。お年よりが多くすむ山間地域(ちいき)では、さまざまな世代の人がうつりすめるようにつとめていました。農業地域では、農業にたずさわりたいという若者(わかもの)をよびこみ、将来(しょうらい)のにない手を育てていこうとしていました。そして市役所では、まちをかえていく計画を30年かけて進めていこうとしていました。

scene 10ズビの星にはズビの星に合った計画?

「30年後の幸せなくらしのために、マチが一つになってかわろうとしているんだな。さっそく、星のみんなに送るぞ~!」とズビ。すると、「ちょっと待った!」とハジメが言います。「な、なんだよ、ハジメ…?」。ハジメは、「これは、民奈野市のとくちょうを生かしたまちの未来(みらい)だよ。ズビの星では、ズビの星に合った計画がひつようなんじゃないか?」と言うのです。そう言われ、「えー! オイラの星のマチに合ったミライ? いったいどんなマチにしていけばいいんだ~!?」とさけぶズビです。