あらすじ一覧

グローバル化、キミには関係ない?

オープニング

(オープニングタイトル)

scene 01情報・人が国境を越える「グローバル化」!

「やぁ、みんな元気? 公民なのに体育。岡崎体育で~す。あ~、気持ちいい~!」と建物の屋上にいるタイイク。「確かに広くて気持ちいいなぁ」とダルさん。「どうだい。日本は広いだろう?」とあたりを見回すタイイク。すると、「世界はもっと広いもんね」とダルさん。「てことで、今日のテーマはこれ。『グローバル化』」とダルさんが言いました。今、人や物が世界中を行き来しています。地球の裏側とも一瞬のうちに情報をやりとりできます。人々の活動の舞台は国境を越えていきます。こうした動きを「グローバル化」と言います。

scene 02企業活動、文化、人のグローバルな交流

たとえば、企業の海外進出。日本のスーパーマーケットは、アジアの各地に店舗を構えています。文化も国境を越えていきます。お寿司をはじめ、和食は世界中で人気があります。そして、人材も国境を越えていきます。現地に赴き、外国人と一緒に働くビジネスマンも大勢います。日本のスーパーマーケットでは、身近なところでグローバル化を感じることができます。外国製品や外国産の食品を目にしたことがありますね。日本への外国人観光客も年々増えていて、2017年はおよそ2800万人。過去最高を記録しました。英語や中国語で書かれた外国人向けの案内表示も増えています。グローバル化が進んでいるのです。

scene 03外国人労働者も増えている

「確かに、街なかで外国の人を見かけることよくあるよね」とタイイク。すると、「実は、観光客だけじゃなくて、外国人労働者も増えているんだ。2016年は、前の年に比べて19万人も増加した」とダルさん。「なんでそんなに増えているんだろう」とタイイク。「理由の一つは、日本の労働人口が減っていること。人手不足を解消するために、外国人の力を借りようというわけなんだ。外国から来た人たちがどんなふうに働いているのか、見てみよう」とダルさんが言いました。

scene 04外国人労働者に頼る建設業界

日本で働く外国人は、およそ127万人。5年連続で増加しています。活躍している業種はさまざまです。飲食業や製造業、介護などのサービス業、多くの業種で雇用が進んでいます。たとえば、首都圏にある建設現場。ここでも外国人が大きな戦力になっています。建設業界は深刻な人手不足。20年ほど前と比べて、日本人労働者は3割も減ってしまいました。そのため、労働力を外国人に頼らざるを得ないのです。「きつい仕事も我慢してやってくれる。かえって日本人よりもいいかなと思うところもあります。かなり力になっています」(建設会社支店長の小島さん)。

scene 05途上国の労働力は世界で引く手あまた

この建設会社で働くベトナム人は20人ほど。普段はどんな暮らしをしているのでしょう。寮の部屋を見せていただきました。一人暮らしには手頃な広さの部屋。家賃はなんと月6000円と、破格の安さ。貴重な戦力を確保するため、会社が用意しているのです。労働人口が減っているのは日本だけではありません。中国や韓国でも人手不足が予想されています。そのため、ベトナムなど発展途上国の働き手をめぐって、熾烈な獲得競争が始まっているのです。「給与は当たり前の話なので、福利厚生面でどれだけやってあげられるかで、いい人材が集まってくる」(小島さん)。

scene 06ほかの国で働くことの壁…

「外国人労働者が活躍しているってこと、わかったかな?」とダルさんがタイイクに言いました。「そう言えば、コンビニとかで外国人の店員さんをよく見かけるよね」とタイイク。「そう。今や外国人労働者抜きの日本社会はありえないんだ。でもね、想像してみて。ほかの国で働くってことは、当然、いろんな壁にぶつかることもあるんだ」。「えっ、そうなの?」とおどろくタイイク。

scene 07最初は一年もたたずに辞めていった

アルミ加工の工場を訪ねました。従業員は40名。そのうち10人が外国人労働者です。外国人の採用を始めたのは、2012年。最初のころは、一年もたたずに辞めてしまう人が多かったそうです。当時の話を聞いてみると、「『オレはこれだけ精一杯やった。なんでこんなに言われなきゃいけないんだ』と言われるとか、『指示通りにやっているのになぜ指摘されなきゃいけないのか』とか、そういうストレスをためている顔は見ていてつらかった」(課長の高橋さん)。

scene 08仕事に対する考え方の違い

まずぶつかったのは、仕事に対する考え方の違い。“仕事は見て覚えろ”という日本ならではの指導方法が通じなかったのです。さらに、言葉の壁も立ちはだかりました。「ちゃんと教えてほしいというのもあったと思います。それを英語で伝えてくるんだけど、こちらに伝わらない。こっちがつたない英語で伝えても、やっぱり伝わらない。かみ合わないんですよね、どうやっても」(高橋さん)。最終的にはつかみ合いまでいったと言う高橋さんですが、「何かあると『外国人』とか『言葉の壁』を理由にしていたというのは、私もそうですけど、ありましたね」と振り返ります。

scene 09“見て覚えろ”→“見せる・伝える”

採用してもすぐに辞めてしまう。そこで会社では、彼等への接し方を見直しました。“見て覚えろ”という仕事の教え方を、“見せる・伝える”という教え方に変えました。まず取り組んだのが、マニュアル作りです。作業工程を、英語とイラストを使って説明しました。さらに、マンツーマンでの実演指導も取り入れました。その結果、仕事の仕方でぶつかることは少なくなりました。さらに、思わぬ効果も。日本人社員が積極的に話しかけるようになったのです。「他国の人と知り合える。ものすごくうれしい。お互い歩み寄らないとだめだね」(日本人社員)。「いい職場だよ。勤めて5年。何の問題もない」(カメルーン人労働者)。

scene 10『コミュニケーションをとろう』という意識

今では、仕事以外の話題で盛り上がることも増えました。外国人がトラブルで辞めることもなくなったそうです。「相互理解というか、つたない英語につたない日本語。お互いが『この人とコミュニケーションをとろう』という意識のもとであれば、しっかりとしたコミュニケーションはとれる」(工場長の神藤さん)。

scene 11もしキミが外国で暮らすとしたら?

「グローバル化が進んだ今、言葉や考え方の違いをどう乗り越えるかが、ますます大切になるよね。学校でも、外国人の子と一緒に学ぶ機会が増えるだろうしね」とダルさん。ちなみに今、海外で暮らす日本人はおよそ133万人います。海外で暮らす日本人も、いろいろな困難を経験しているはずです。「もしタイイクが海外で仕事をすることになったら、お互いが気持ちよく働くためにどうしたらいいと思う?」とダルさんが聞きました。「うーん、そうだな。まずは英語を勉強して…。いや待てよ、手に職をつけるとか? いや違うな…」。