あらすじ一覧

オープニング

(オープニングタイトル)

scene 01『三権と私たちの関わり』

ここは、ドキリ社会研究所。「三つ子のおいっ子が今度3才になるから、プレゼントしようかな?」と三輪車をふきながらつぶやくアッキー。するとキリのアラームが鳴り、ミッション報告の時間がやってきてあわてて準備をするアッキー。「今回、ぼくが調べたミッションは…こちら!」。報告書のタイトルは、『三権と私たちの関わり』でした。

scene 02立法権とは

「三権」とは、国の重要な役割である、立法権、行政権、司法権のことです。立法権とは、法律をつくったり、廃止(はいし)したりする力のこと。立法権を持っているのが、国会です。国会には衆議院と参議院があり、国会議員は国を動かすための法律をつくったり、予算を決めたりしています。選挙で投票して国会議員を選ぶことで、私たちは立法権と関わっているのです。

scene 03行政権とは

行政権とは、国会で決まった法律や予算などをもとに、政治を行う力のことです。行政権を持っているのは、内閣です。内閣のもとで具体的に仕事をするのが、省や庁。たとえば文部科学省は、学校でどの教科を何時間勉強するのかなど、教育について決めています。厚生労働省は、国民の健康を支える仕組みをつくっています。私たちは、世論(よろん)を通して行政権と関わっています。世論とは、国民の大多数の意見のこと。内閣は、世論調査で国民の意見に耳をかたむける。そして、テレビ局や新聞社などは世論調査で、内閣の取り組みを国民がどう評価しているかを調べます。

scene 04司法権とは

そして司法権とは、法律に従って争いを解決する力のこと。司法権を持っているのは、裁判所です。裁判所では、事件やもめごとが起きたとき、憲法や法律に照らし合わせて判断し、問題を解決しています。私たちは「裁判員制度」で裁判に参加することがあります。そして「国民審査(しんさ)」で、最高裁判所の裁判官がその職にふさわしいかどうか審査します。この国民審査は、衆議院議員選挙の投票と同時に行われています。

scene 05私たち国民が三権を動かしている

「ぼくなりに、この三権の役割をわかりやすいものにたとえてみた。それがこれ!」。アッキーが見せたのは…、三輪車の図でした。車輪のところに、立法、行政、司法と書かれています。「立法権、行政権、そして司法権。このそれぞれが重要で、その中心にいるのがぼくら国民。ぼくら国民が3つの車輪を動かし、世の中は動いている、というわけ。どう? かんぺきでしょ?」とアッキー。「はい、とてもわかりやすいです」と答えるキリ。するとそこに、「ピンポーン! 郵便でーす!」と何か届きました。

scene 06アッキーが「裁判員候補者」に?

「キリ、これ何?」とアッキーがたずねると「これはアッキーが裁判員候補者に選ばれたという通知ですね」とキリ。「えーっ! 裁判? ぼくが?」。ドキリ! 裁判員は、18歳(さい)以上で選挙権がある人のなかから選ばれます。「でもそんな人いっぱいいるよね。どうやって選ぶの?」とアッキー。すると、「くじです」とキリ。「え? くじって、どんな?」とアッキー。そこでキリが、「これを見てください」と映像を映し出しました。

scene 07裁判員を選ぶには

裁判員を選ぶには、まず、最高裁判所が開発したプログラムを使って、選挙人名簿(めいぼ)からコンピューターでランダムにくじ引きされます。年に一回のくじで、およそ23万人が裁判員候補に選ばれます。さらに面接が行われ、最終的に、一つの裁判に6人の裁判員が選ばれます。「じゃあ、だれもが裁判員になる可能性があるってことなんだね」とアッキーが言うと、「いいえ。これまで罪を犯して刑(けい)を受けたことがある人など、裁判員の対象にならない人たちもいます」とキリが答えました。

scene 08裁判員はどんなことをする?

「へぇー。でもさ、裁判員ってどんなことするの?」とアッキー。ドキリ! キリが、「これを見て下さい」と映像を映し出しました。模擬(もぎ)裁判の様子です。裁判は、3人の裁判官と、6人の裁判員で行われます。罪を犯したとしてうったえられた「被告人(ひこくにん)」。被告人の言い分を聞き、立場を守る「弁護人」。罪を犯したと思われる人をうったえ、罰(ばっ)することを求める「検察官」が、それぞれの意見を述べます。裁判員は、そうした意見を聞いたり質問したりして、裁判官とともに評議し、被告人に罪はあるのか、どれくらいの刑罰(けいばつ)をあたえるのがよいのか話し合い、判決を下します。

scene 09社会的に関心の大きい重大事件を担当

「たとえばどんな事件を担当するの?」とアッキーが聞くと、「社会的に関心の大きい重大事件です」とキリ。「え、重大事件? それってもしかして、殺人事件とか?」。「はい」。ひき逃(に)げ、強盗(ごうとう)殺人、放火などがふくまれます。「えーっ、そんな事件、ぼくにはちょっと荷が重いよ。あぁ、なんでこんなことに…」と頭をかかえるアッキー。ドキリ! するとキリが、「アッキー、そんなことを言っている場合ではありません。裁判員制度が導入されたのは、『国民が主役』だからです」と、また映像を映し出しました。

scene 10市民の“ふつうの感覚”を判決に生かす

裁判員制度は、2009年に始まった制度です。それまでの司法、つまり裁判は、法律の専門家だけで行ってきたため、国民にとっては理解しにくく、遠い存在でした。それではよくないと始まったのが、裁判員制度です。裁判員制度では、選ばれた裁判員それぞれの知識や経験が、判決に生かされます。「市民の、市民による、市民のための裁判」を実現させ、国民の自由と権利を守っているのです。「そうか…。ぼくたちの“ふつうの感覚”が裁判に求められているんだな。それで、ぼくが必要とされた!」となっとくするアッキーです。

scene 11三権のリーダーの給料はだれが決める?

ここで、「いきなりですが、おうちで“キリクイズ”!」とキリ。「三権にはそれぞれリーダーがいます。さて、このリーダーの給料を決めているのはだれでしょう?」。考えたアッキーは、「内閣総理大臣! よくテレビで見るし、エライ人っぽい」と答えました。ブブーッ、不正解。ヒントです。給料はリーダーが自分で決めているわけではありません。法律で決まっています。この法律を定めているのは?」とキリ。「あ! 国会!」。「その国会にいる国会議員を選んでいるのは?」とさらにヒント。「あー、わかった!」とアッキー。みんなもわかったかな?