あらすじ一覧

世界の国の人々

オープニング

(オープニングタイトル)

scene 01ここはどこの国でしょう?

「とつぜんですが、“キリクイズ”!」とAIアシスタントのキリが言いました。「えっ?」。びっくりするアッキー。キリが映し出したのは、ごうかなかざりをつけてサンバをおどる女の人たちです。「問題。ここはどこの国でしょう?」とキリ。「サンバのカーニバルってことは…、ブラジル!」とアッキー。でも、「ブブー! 大まちがいです」とキリ。正解は、日本。ここは群馬県大泉町(おおいずみまち)。ブラジル出身者が多く住んでいて、町民のおよそ2割が外国人です。外国人は日本全国で暮らしていて、2020年までの5年間で、すべての都道府県で増えています。

scene 02外国の人と共に生きるために大切なことは?

「確かに。ぼくがよく行くコンビニの店員さんも、外国の人だなぁ」とアッキー。すると、「ミッションが届きました」と、キリがミッションを映し出しました。『世界の国の人々と共に生きるために大切なことを調べよ』とあります。「共に生きる、かぁ。大切だよねぇ」とアッキー。「とはいえ…、ぼくは英語もできないし、できることなんてあるのかなぁ。うーん…」。そこでアッキーは気がつきました。「あ、これだ!」。目に見えない『社会の仕組み』が見える“ドキリ・ガジェット”。今回は、「共生モード」に設定しています。

scene 03市役所の外国人向け相談窓口

ドキリ・ガジェットを装着したアッキーが、埼玉県川口(かわぐち)市にやってきました。さっそくドキリ・ガジェットが何かに反応。「この建物は何だろう?」と入っていくと…、「市役所か」。すると何かにロックオンしました。ドキリ! カウンターに『中国語』と書いてあります。こちらは、外国人向けの相談窓口です。10か国語に対応していて、引っこしや結婚(けっこん)などの手続きで困ったときの相談に応じています。「外国人は日本語がヘタだから、市役所も中国語をしゃべれる人がいるのはいいですよ」と中国の人。「手続きってむずかしそうだから、相談できる窓口があるって助かるね」とアッキー。

scene 04ゴミ置き場の外国語表示

「ほかには何が…」とアッキーが町を歩いていくと、ゴミ置き場がありました。「看板にロックオン? なんで?」。ドキリ! 日本語以外の表示もありました。外国人住民のために、中国語と英語でも書いてあります。「イラストもあってわかりやすいね」。ゴミ捨てのルールは国ごとにちがうため、外国人にもわかるよう工夫されています。大きな団地の中に入っていくと、ベンチでくつろぐ家族がいます。「この人たち、中国人なの? ニーハオ!」。「ニーハオ!」。この団地には、中国出身者など外国人が6割近く住んでいます。

scene 05外国人と日本人が交流できるイベントを

さらに、一人の男性にロックオン。「なんで?」。ドキリ! この人は団地の自治会を運営する岡﨑(おかざき)さんです。「自治会が共生と関係あるの?」とアッキー。岡﨑さんの自治会では、団地にくらす外国人と日本人が交流できるよう、積極的にイベントを開いています。言葉が通じなくても、住民どうしが顔見知りになることが共生の第一歩だと考えているのです。「私はまったく中国語をしゃべれません。笑顔で『こんにちは』なんて言っていると、相手もいやな顔をしない。日本人・外国人にかかわらず、見知らぬ人とどう関係を築くかということだと思うので、積極的に話をしてほしいと思います」(岡﨑さん)。

scene 06災害時の外国人との助け合い?

アッキーがもどってきました。「世界の国の人々と共に生きるためには、『ルールをわかりやすく伝える』、『交流して顔見知りになる』ことが大切ってわかったよ。キリ、ほかにも何か大切なことってあるかな?」。するとキリが、『外国人と共生する取り組み』という資料をスクリーンに映し出します。「たとえば、さまざまな宗教の人がおいのりできる部屋を作る、食事で困らないメニューを作るなど、ちがう文化や習慣を持つ人々が暮らしやすくすることも大切です」とキリ。「なるほど。ようし、もっとほかにないか調べてみようっと」。パソコンで調べ始めたアッキー、「うん? 災害時の外国人との助け合い?」。何か見つけました。

scene 07外国人も参加する防災訓練

「火事だ! 火事だ!」。消火器を使って火を消すシミュレーション訓練。熊本(くまもと)県熊本市で行われている防災訓練です。参加しているのは、同じ地域に暮らす日本人と外国人です。災害が起きたときおたがいに助け合えるように企画(きかく)されています。「消火器の使い方とか、火事が起きたときの対応とか、いろいろ勉強になりました」(中国出身の男性)。

scene 082016年の熊本地震で

熊本市がこの防災訓練を始めた背景には、ある外国人たちの取り組みがありました。2016年4月に起きた熊本地震(じしん)。20万棟(むね)以上の建物がこわれ、水道や電気が止まり、食べ物も不足しました。そこで立ち上がったのが、熊本に暮らすイスラム教徒たちでした。その一人、インドネシア出身のマーロさん。地震の起きたあと、マーロさんのもとには全国各地のイスラム教徒からたくさんの物資が届きました。「みんなかわいそうでした。いっぱいここに物資がありました。私たちはいっぱいいらない。だから、あげます」。

scene 09外国人・日本人が共に地域を作っていく

マーロさんたちは、仲間から届いた支援(しえん)物資を毎日避難(ひなん)所まで配りに行きました。荷物を運ぶのに苦労する人がいたら、重いお米や水を一軒(けん)一軒届けました。「知らない人でも、私はいつも手伝う。当たり前。みんな人間だから」(マーロさん)。マーロさんたちの活躍(かつやく)もあり、熊本市は、外国人への考え方を大きく見直しました。「言葉が通じないとか文化がちがうということで、外国人は立場が弱くて『支援される側』と思っていることが多い。でもその視点を変えて、外国人、日本人いっしょになって地域を作っていくことが大事だと思います」(熊本市国際交流振興事業団 八木さん)。

scene 10ふだんからつながりを持つこと

「いざというとき、おたがいに助け合うことができるんだな」となっとくするアッキー。「わかってきたぞ。共に生きる仲間として、外国人とふだんからつながりを持つことが大切。どう? いい報告でしょ?」とキリにたずねました。「はい。アッキーは、どのように世界の国の人々とつながりたいと思いますか?」とキリに聞かれ、「そうだなぁ。ぼくはスポーツが好きだから、サッカーで交流するのもいいかも」とアッキー。「いいアイデアです」とキリが言いました。みんな、社会に“ドキリ!”としたかな?