あらすじ一覧

ミウ、エネルギーゼロ事件!? ~工業を支える資源・エネルギー~

オープニング

アプリを駆使(くし)してニッポンをさぐれ! ズームジャパン!

scene 01エネルギーが切れてしまったミウ

昼下がりのリビング。今日も事件が起こりました。「栄養たっぷりの野菜ジュース買って来たよ…えーっ!」。帰ってきたショーゴはびっくり。ミウがたおれていたのです。「お姉ちゃん、お姉ちゃん!」。「うぅー。わたし…もうつかれたよ。なんだかとってもねむいんだ…」。「ちょっとちょっと! お姉ちゃーん!」。そこで、「ハッ」とミウがわれに返りました。「いったいどうしたの?」とショーゴに聞かれ、「これまでめざしていたことをとにかく全部やろうと思ったの。すし職人に、工業デザイナー、警察(けいさつ)官、農業女子に、ラッパー」。「あれを全部?」。「そしたらラップ中にエネルギーが切れちゃって」。

scene 02小5アプリ『ズームジャパン』を使って調べる

「ショーゴ、その野菜ジュースをわたしに…エネルギーを補給(ほきゅう)させて」とミウ。「はい」。「ごくごく…」と飲み始めるミウ。「一気に飲んだらすぐなくなっちゃうよ。あのね、ぼくたちがくらしの中で使っているエネルギーだって、無限にあるわけじゃないんだよ。そもそも、ほとんどのエネルギーや資源(しげん)は日本でとれないし」とショーゴ。「えっ? じゃどこから持ってきてるの?」とおどろくミウ。「これを見て」。ショーゴがタブレットのアプリを開きます。「今回のテーマは、『工業を支える資源・エネルギー』。まずは、日本で使う資源やエネルギーがどこからやってくるのか見てみよう。ズームアウト!」。

scene 03資源・エネルギーはどこから?

大きな港にやってきました。「ここで問題。このタンカーが運んでいるのはいったい何でしょう?」とショーゴ。デッキに丸いタンクがならんでいます。「わかった、大きなカブ!」。ブブー。正解は、「液化天然ガス」。火力発電所で電気をつくることなどに使われます。その主な輸入先は、オーストラリアやマレーシアです。別のタンカーが運んできたのは石油。主にサウジアラビアやアラブ首長国連邦(れんぽう)から来ています。鉄鉱石は、主にオーストラリアからやってきます。実は、日本はエネルギー自給率がとても低く、工業やくらしに必要な資源(しげん)、エネルギーのほとんどを外国からの輸入にたよっているのです。

scene 04日本がかかえる問題は

「日本はこんなに外国からの輸入にたよっていたのね」とミウ。「そうだよ。これは小5で習う、『小5の常識!』」とショーゴの決めセリフ。「それに、課題だってあるんだ。たとえば、もし輸入ができなくなったらどうするの?」とショーゴ。「あとね、石油や石炭といった化石燃料を燃やすと、二酸化炭素が排出(はいしゅつ)されるんだ。これは環境(かんきょう)に悪いえいきょうがあるから、いま世界中で削減(さくげん)していこうとしているんだよ」。「えっ、じゃあこれからどうすればいいの?」。「これを見て」。ショーゴがアプリを開きます。「次に見るのは、『日本の新しい資源(しげん)・エネルギー開発』。ズームイン!」。

scene 05さまざまな海洋資源の活用

いま日本では、資源(しげん)やエネルギーを輸入にたよらない新たな取り組みが進められています。その一つが、海洋資源の発掘(はっくつ)です。沖縄県の沖合(おきあい)、深さ1000mの海底から発掘されたのは、「レアメタル」をふくむ鉱石です。レアメタルは電気自動車やスマートフォンのバッテリーなどに使われています。さらに、日本の海には「メタンハイドレート」という資源も大量に存在(そんざい)しています。氷状の物質で、火を近づけると燃えます。“燃える氷”とよばれ、石油や石炭に代わる資源として期待されています。日本の海底にはさまざまな資源があり、これからの活用が期待されています。

scene 06木材から電気をつくる?

くらしに必要なエネルギーを地域(ちいき)でつくる取り組みも進んでいます。北海道札幌(さっぽろ)市にあるスーパーマーケット。こちらで使用されている電気は、あるものを使ってつくられています。では、この店の電気は何を使ってつくられている? 「えー? 何だろう?」と考えるミウ。すると、「正解は、木材」とショーゴ。「えー、木材?」とよくわからないミウ。「このお店では、『木質(もくしつ)バイオマス発電』という発電方法で発電した電気を100%使っております」と、電力会社の田下杏樹さん。

scene 07間伐材を活用した「木質バイオマス発電」

北海道江別(えべつ)市にある、木質(もくしつ)バイオマス発電所。山積みになっているのは大量の木材チップ。林業がさかんな北海道。森の育成を助けるため、定期的に木をきって日光を取り入れる「間伐(かんばつ)」作業が行われています。間伐材をくだいた木材チップが北海道各地からこの発電所に集められているのです。その量、年間およそ20万トン。「燃料であるチップを燃やして発電をする仕組みになっております」と発電所所長の坂口浩昭さん。「へぇ~。でも、木を燃やしてだいじょうぶなの? 二酸化炭素を排出(はいしゅつ)すると、環境(かんきょう)に悪いんじゃないの?」とミウ。

scene 08植林によって二酸化炭素の吸収を図る

実は、この会社は北海道の各地に森林を所有しており、伐採(ばっさい)した木を燃料に使う一方で、伐採したところに植林を行っています。排出(はいしゅつ)した二酸化炭素を木に吸収(きゅうしゅう)してもらおうと考えているのです。木材を燃やすと二酸化炭素が発生しますが、木々の成長過程で二酸化炭素が吸収されるので、環境(かんきょう)への負荷がかかりにくいという考え方です。「北海道のものを使って、北海道で電気をつくって、北海道のみなさんに使ってもらっている。地球にやさしい、地域(ちいき)にやさしい発電をしていると考えております」(坂口さん)。

scene 09地球への負荷が少ない電力を使いたい

この発電を行っている会社は、北海道内にあるおよそ100軒(けん)のスーパーマーケットや、5000世帯の家に電力を供給(きょうきゅう)しています。この北海道産の電力を自宅(じたく)で使う人をたずねました。札幌市にすむ長谷川さん。家の中で使う電気はすべて木質(もくしつ)バイオマス発電からつくられたものです。「地球にできるだけ負荷をかけない、二酸化炭素を出さない、あるいは、出してもそれほどえいきょうがない電力が選べるのであれば、それを使い続けたいし、人にもすすめたいなと思います」(長谷川さん)。

scene 10わたしたちにもできることは?

「なるほど。自分たちに必要な電力を自分たちの地域(ちいき)でつくっているってわけね」とミウ。「そう。ほかにもね、風力発電や、太陽光発電もあるんだよ」とショーゴが言います。「よーし! わたしもスペシャルドリンク『ミウミックス』を飲んでエネルギーをチャージ!」。いつのまにこんなものを? 「ゴクゴクゴク。Woo! ヴァイブス満タンよ! いいリリックがおりてきた~!」といきなり元気になるミウ。歌い出します。「うめつくすギャラリー みなぎるエナジー Hey ブラザー! Say エナジ~! ダイジ~(大事) エナジ~! ダイジ~!…」。これにて事件解決…なのか?