あらすじ一覧

声だけで表現しよう

オープニング

オープニングタイトル

scene 01サトルの朗読

「アーアーアー。えーと…」。校内放送でサトルがお昼の朗読(ろうどく)を始めました。いとうひろし作『だいじょうぶ だいじょうぶ』です。ところがサトルの朗読は…「ぼくたちのお散歩(さんぽ)は家の近くをのんびりと歩くだけのものでしたが遠くの海や山をぼうけんするような楽しさにあふれて…だいじょうぶだいじょうぶ…」。だらだらとつづく朗読にリンちゃんもシュンも聞く気がなくなってしまいます。すると、「ぜんぜんだいじょうぶじゃないよ、サトル。そんな朗読じゃ、だれも聞いてくれないよ」という伝じろうの声が…。

scene 02サトルの朗読はお経みたい?

サトルが“伝じろうの心の中”へやってきました。アシスタントのお伝が、『体(たい)・技(ぎ)・心(しん)』の柔道(じゅうどう)の練習をしています。「さっきのサトルの朗読(ろうどく)、面白くなかった! 何を言ってるのかさっぱりわからなくて、お経(きょう)を聞いてるのかと思ったよ」と伝じろうが言います。『だいじょうぶ だいじょうぶ』はとてもいい話で、伝じろうははじめて読んだとき、感動して目から滝(たき)のようになみだがあふれ出たのだそうです。

scene 03朗読の第一歩はからだを使うこと

『だいじょうぶ だいじょうぶ』は、こわがりな少年・ぼくと、それを見守るおじいちゃんとの心あたたまるお話です。おじいちゃんの「だいじょうぶ」という言葉に何度もはげまされながら成長(せいちょう)していく少年のすがたをえがいています。「それなのに、さっきのサトルの読み方じゃ、目がカラッカラ!」と伝じろう。もっとうまく読むためには、『体(たい)・技(ぎ)・心(しん)』だと伝じろうは言います。「まずは『体』。からだを使うことが、いい朗読(ろうどく)のための第一歩なんだ」と伝じろう。

scene 04お伝レッスン「よい朗読をするための体・技・心」

よい朗読(ろうどく)をするための、体(たい)・技(ぎ)・心(しん)。一つ目は、「体」。朗読に大切なのは、からだを使ってはっきり読むこと。まずは、早口言葉で口のストレッチ。伝じろうのあとにつづけて、口を大きく動かしながら言ってみましょう。お題は、『新進シャンソン歌手 新春シャンソンショー』。おなかから声を出してはっきり読みます。「おなかから声を出す? どうやって?」とサトル。

scene 05「体」――腹式呼吸でおなかから声を出す

はっきり読むためには、おなかから声を出すことも大切。そのために、「腹式呼吸(ふくしきこきゅう)」をマスターしましょう。まず、おなかに手を当てます。そして、からだの中の空気を全部出すつもりで、息をはきだします。息をはききったところで、いいにおいをかぐようにゆっくりと息をすいこみます。このとき、おへその下に空気をためていくイメージで、おなかをふくらませます。この呼吸法(ほう)をマスターすれば、おなかからしっかりとした声が出せるようになります。これで、朗読(ろうどく)の「体」、ゲット! 

scene 06「技」――「、」と「。」を意識する

朗読(ろうどく)の体・技・心。二つ目は、「技」。ポイントは「、」と「。」を意識(いしき)すること。「おじいちゃんはぼくの手をにぎりおまじないのようにつぶやくのでしただいじょうぶだいじょうぶ…」。サトルの朗読と同じ文章をプロの朗読家に朗読してもらうと、「おじいちゃんは、ぼくの手をにぎり、おまじないのようにつぶやくのでした。だいじょうぶ、だいじょうぶ…」。この朗読では「、」と「。」をしっかり意識して、聞き手が内容(ないよう)を想像(そうぞう)できる「間(ま)」を作ってくれています。この「間」を意識して読むことができれば、朗読の「技」、ゲット! 

scene 07「心」――朗読は“心”で読む

そして、「心」。でも、「ここまでできてるのに、何が必要(ひつよう)なの?」とサトル。すると伝じろうが言いました。「“心”がなければ、いい朗読(ろうどく)はできないよ」。そこで、お師匠(ししょう)さんに聞いてみることに…。「サトルくん。朗読は、“心”で読むんですよ」と教えてくれるのは、朗読家の飯島晶子(いいじま・あきこ)さん。朗読会や朗読教室を開いてそのすばらしさをつたえているほか、声優(せいゆう)としても活躍(かつやく)されています。飯島さんが大切にしていることは、登場人物の気持ちを想像(そうぞう)して読むこと。

scene 08気持ちや情景を想像する

では、『さむい さむい 冬の夜』という文章を、飯島さんに二通りの読み方で読みくらべてもらいます。まず、冬の寒さにふるえている人物の場合。「さむい…さむい…冬の夜…」。次に、冬の寒さに打ち勝とうとしている人物の場合。「さむい、さむい、冬の夜」。このように、「読み方をかえると、イメージする情景(じょうけい)もかわるんです。朗読(ろうどく)には、“どれが正解(せいかい)”というものはありません。大切なのは、だれが、いつ、どこで、どんなふうに感じるか、それを想像(そうぞう)して表現(ひょうげん)することです」(飯島さん)。

scene 09物語のクライマックス

これからサトルが読むシーンは、物語のクライマックス。成長(せいちょう)した少年が、年老(お)いたおじいちゃんに「だいじょうぶ」と言葉をかける場面です。まず、『だれが、いつ、どこで、どんなふうに』を想像(そうぞう)します。「主人公のぼくが、おじいちゃんに、病院で。おじいちゃんがベッドでねてて、ぼくがおじいちゃんの手をにぎってる…」とサトル。「そのイメージをしっかり持って読んでみよう」と伝じろう。サトルが読み始めます。「おじいちゃんの手をにぎり、何度でも、何度でもくりかえします。『だいじょうぶ。だいじょうぶ』…」、

scene 10「だいじょうぶ?」「だいじょうぶ…」

「…だいじょうぶだよ、おじいちゃん」。気がつくとサトルは学校にもどって朗読(ろうどく)していました。「うっ、うう…。おじいちゃ~ん! ううっ」。朗読を聞いた先生は大感激(だいかんげき)していました。「先生…だいじょうぶ?」とみんなが聞くと、「だいじょうぶ…」と答えが…。