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狂言で「閑(しずか)さや…」

狂言で「閑さや…」

閑(しずか)さや 岩(いわ)にしみ入(いる) 蝉(せみ)の声(こえ)

【解説】
狂言は、650年くらい前の室町時代からある伝統芸能です。その時代の人達の日常生活をテーマに、会話などで展開します。狂言独特の体の使い方の約束ごとがあり、これを〈型〉といいます。今回は、松尾芭蕉の代表的な句集「おくの細道」より「閑さや…」を取り上げ、蝉が鳴きしきる現実とは別の次元の心の「閑さ」を詠んだ句を、萬斎さんが「蝉の精」の型で表現します。蝉の精がつけているのは「空吹(うそふき)」という面で、動植物に多く用いられます。