あらすじ一覧

オープニング

オープニングタイトル

scene 01森であそぶのが大すきな女の子

むかしむかし、森であそぶのが大すきな、一人の女の子がいました。「わたし、この森がだーいすき! だって、この森にはおともだちがたくさんいるから。あ、かわいいお花。あ、チョウチョ! 歌(うた)がじょうずな小鳥(ことり)たち。みんな、わたしのおともだち! 今日(きょう)はだれにあえるかな」。女の子は森へ出かけていきました。〔語り:稲垣来泉(いながき・くるみ)さん〕

scene 02森であそぶのが大すきな子ぐま

この森のおくふかくには、子ぐまもすんでいました。「ぼく、この森がだーいすき! だって、この森にはおともだちがたくさんいるから。あ、かわいいお花。あ、チョウチョ! 歌(うた)がじょうずな小鳥(ことり)たち。みんな、ぼくのおともだち! 今日(きょう)はだれにあえるかな」。

scene 03三びきのくまがたいせつにしているもの

そんな子ぐまがいっしょにくらすのは、体(からだ)がとても大きいくまと、体がちょっと小さいくま。三びきのくまたちには、たいせつにしているものがありました。とても大きいくまは、とても大きいイス。ちょっと小さいくまは、ちょっと小さいイス。そして、とても小さいくまは、とても小さいイスです。「ぴったり」。「ぴったり」。「ぴったり!」。ほかにもあります。とても大きいベッド。ちょっと小さいベッド。とても小さいベッドです。「ぴったり」。「ぴったり」。「ぴったり!」。

scene 04シチューがさめるまで森へさんぽに

まだあります。とても大きいおわん。ちょっと小さいおわん。とても小さなおわんです。「ぴったり」。「ぴったり」。「ぴったり!」。子ぐまはとても小さなおわんを手にとりました。「ぼく、シチューがだーいすき! いただきます!」。三びきのくまはシチューをたべはじめます。「ふぅ~、ふぅ~、ふぅ~。アチッ!」。そこで、シチューがさめるまで、三びきのくまは森にさんぽに出かけることにしました。でも、ちょっとまって。ドアがあけっぱなし。だいじょうぶ?

scene 05くまたちの家までやってきた女の子

女の子はいつのまにか、森のおくふかくまできてしまいました。「ここ、どこ?」。女の子は、三びきのくまたちの家(いえ)までやってきました。「あれ? だれのおうちかしら?」。あいているドアから中に入っていきます。「だれかいませんか?」。そのとき、「グゥ~」とおなかがなりました。森の中をあるきまわっていた女の子は、おなかがペコペコでした。「うん? いいにおい!」。テーブルを見て、「あ! わたしの大すきなシチューだ!」と女の子がシチューを見つけました。「おいしそう~」。

scene 06子ぐまのシチューをたべてしまった

「いただきまーす!」。女の子は、大きいおわんのシチューをたべはじめます。「ふぅ~、ふぅ~、ふぅ~。アチッ!」。となりにあるちょっと小さいおわんを見て、「あ、こっちは?」と、そのシチューをたべてみます。でも、「ふぅ~、ふぅ~。アチッ! これもあつい」。そして、「うん? こっちはどうかな?」。とても小さいおわんに気がつきました。さっそくたべてみると…。「ちょうどいい! しかも、おいしい!」。女の子は大よろこび。小さなおわんのシチューをたべおえると、女の子は部屋(へや)の中を見わたしました。「ここ、だれのおうちなんだろう?」。

scene 07子ぐまのイスをこわしてしまった

すると、見たこともない大きなイスが目にとまりました。すわってみると、「だめ、かたすぎる」。となりにあったちょっと小さなイスは、「だめ、うもれちゃう」。もう一つとなりのとても小さなイスは…。「あ、ぴったり! おー、たのしい!」。イスをゆらしてたのしそうな女の子。ところが、ギシッ、ギシッという音がして…。「え? うわっ!」。ドターン! 女の子はひっくりかえってしまいました。「いたたた…」。見ると、イスがこわれています。「イスをなおさないと…」。そうおもった女の子は、となりの部屋(へや)を見にいきました。

scene 08子ぐまのベッドでねてしまった女の子

そこは、しんしつでした。「ベッドも三つ。しかもおふとんがモコモコ。雲(くも)みたい!」。女の子は、「よいしょ」と、とても大きなベッドにねてみました。「うーん、なんかちがう。こっちは?」。こんどは、ちょっと小さいベッドにねてみます。「うーん。こっちもなんかちがう」。さいごに、小さいベッドにねてみました。「おーっ、ぴったり」。すると、女の子はいつのまにかねむってしまいました。

scene 09三びきのくまがもどってきた!

そこへ、三びきのくまがもどってきました。「あー、おなかすいた~」。女の子はすやすやねています。すると…。「あれぇ…?」。「あれれ?」。「あれ? ない! ぼくのシチューがなくなってる!」と子ぐま。そこで、「うん…?」と女の子が目をさましました。「あれぇ…? わたしのイスが」。「あれれ? だれかすわった?」。声(こえ)がきこえてきます。「あれ? ぼくのイスがこわれてる。だれかきたのかな?」。あわてておきあがる女の子。「おうちの人、かえってきたんだ。どうしよう…」。

scene 10子ぐまがふとんをめくると

「こっちの部屋(へや)を見てみよう」と子ぐまがいいます。いそいでベッドの中にもぐりこむ女の子。「ぎぃ~」とドアの音がします。「き、きた!」。三びきのくまが入ってきました。「ここにいるのかな」。子ぐまは、いちばん大きな青いベッドにちかづきました。「えいっ!」とふとんをめくります。「いない」。女の子はドキドキ。「じゃあ、こっちかな? えいっ!」。子ぐまがとなりのベッドのふとんをめくります。「こっちもいない」。女の子はますますドキドキ! そして子ぐまがふとんをめくりました。「えいっ!」。見つかってとびおきる女の子。「わっ、いた!」と子ぐまもびっくり。

scene 11子ぐまがよびとめようとしたけど…

「えっ! まさかのくま三びき!?」と女の子もびっくり。目の前(まえ)の大きなくまたちにおどろいて、女の子は声(こえ)も出ません。「ひぃぃっ。ご、ご、ご、ごめんなさい!」。女の子は、まどから外(そと)へにげだそうとします。「あ、ちょっとまって! ぼくたち…」とよびとめようとする子ぐま。でも女の子はまどからとびだして、にげていってしまいました。女の子がはしっていったほうを見ながら、「さっきの子、なんていおうとしてたんだろう…」とかんがえこむ子ぐまでした。