あらすじ一覧

どうする?外国の人たちとの共生

オープニング

(オープニングタイトル)

scene 01言葉もわからない外国で

世界にはおよそ200の国があります。それぞれの国や地域(ちいき)で、話す言葉も、食べるものも、着るものもちがいます。今、その外国の人たちがおおぜい日本にやってきてはたらくようになりました。外国人と日本人。おたがいに、ちがうところがたくさんあります。どのようにして共(とも)に生活していけばいいのでしょうか。「たとえばコスルは、言葉もわからない外国に行って不(ふ)自由なく生活できるか?」とドスル。「そう言われると、たしかに買い物とかむずかしそう」とコスル。「だろう? 日本にいる外国の人もそんななやみをかかえているとしたら、どうする?」とドスルが言いました。

scene 02日本語が話せずこまったこと

東京都新宿区。世界の100以上の国や地域(ちいき)の人たちがくらす、国際色(こくさいしょく)ゆたかな街(まち)です。実は、日本語がわからずこまったことがあるという外国の人がたくさんいるといいます。いったい、どんなこまったことがあったのでしょうか。「銀行で口座(こうざ)を作りたかったんですけど、日本語がうまく話せず『ダメ』と言われた」(イタリア女性)。「かぜとか熱(ねつ)とか病院で説明(せつめい)するのはむずかしい」(インド男性)。

scene 03外国人への支援

新宿区役所では、日本語が話せずこまっている外国人の支援(しえん)を始めました。いろいろな言葉で相談にのってくれる窓口(まどぐち)。さらに、日本語教室を開き、日本語をおぼえてもらうサポートも行っています。「たしかに、こういうサポートがあると助かるかも。じゃあ、みんなで日本のこと、教えてあげればいいんじゃない?」とコスル。「その通り! コスル、えらい! しかーし! そうかんたんにはいかないのが現実(げんじつ)なんだ」とドスルが言いました。

scene 04日本のくらしのためのガイドブック

たくさんの外国人たちのくらしを、どう支援(しえん)すればいいのか。新宿区が作った、日本のくらしのガイドブック。英語(えいご)、中国語など6つの言葉でわかるようになっています。電気やガスの申しこみのしかた、病気になったとき医者にかかる方法(ほうほう)などが書かれています。しかし、これらのガイドブックを、一人ひとりにどうとどけるかが大問題です。

scene 05よろこんでもらえたり、ことわられたり

新宿区の職員(しょくいん)、鍋島(なべしま)さん。より多くの外国人にガイドブックをとどけるため、街(まち)のあちこちをたずねています。ミャンマー料理(りょうり)の店で、ミャンマー語のゴミ出しのチラシをわたしました。「ミャンマー語ではじめて見ました。ミャンマーの学生が来るので配ります」と、とてもよろこんでもらえました。しかし、いつもよろこばれるわけではありません。ガイドブック一つおいてもらうにも場所が必要(ひつよう)です。めんどうだと思われるとことわられます。「いろいろな情報(じょうほう)を出しているが、なかなかとどかない」(鍋島さん)。

scene 06おたがいをみとめあい、共に生きていくこと

「うーん、支援(しえん)ってむずかしい…」とコスル。「これが、“多文化共生”のむずかしさってやつだね」とドスル。「たぶんかきょうせい? 何それ?」。日本語を話す人、ロシア語を話す人。服を自由に着ていい人、はだをかくさないといけない人。牛肉を食べる人、牛肉を食べてはいけない人。世界にはいろいろなくらしがあり、いろいろな言葉や宗教(しゅうきょう)、文化があります。その人たちがおたがいをみとめあい、共(とも)に生きていくことを「多文化共生」といいます。「多文化共生って、とっても大切!」とコスル。「しかし、これは世界でもなかなかうまくいっていない問題なんだ」とドスル。

scene 07世界でふえつづけている「難民」

今、世界では、国の中で武力(ぶりょく)によるあらそいなどが起こり、故郷(こきょう)をはなれなければならない人たちがいます。「難民(なんみん)」とよばれる人たちです。ヨーロッパにあるドイツ。日本とほぼ同じ大きさのこの国は、ここ数年で100万人以上(いじょう)の難民を受け入れてきました。難民がくらす施設(しせつ)では、おおぜいのボランティアが生活の支援(しえん)活動をしています。「わたしたちは自分の国のことだけを考えてはいけません。難民の人たちが国に帰れる日がくればいいけど、むずかしければここでくらしつづけるほうがいいと思っています」(ボランティア女性)。

scene 08難民を受け入れることに対して…

しかし、難民(なんみん)を受け入れることに賛成(さんせい)の人ばかりではありません。とあるドイツ人の住宅街(じゅうたくがい)。この町に難民がくらすようになりました。ふえつづける難民を受け入れるために、それまでの公共(こうきょう)住宅が、難民のための住宅に作りかえられました。「前からすんでいたおれたちが追い出されて、難民たちは新しい家をもらえるなんておかしいよ」(ドイツ男性)。今、ドイツでは、もともとすんでいた人と難民との共生(きょうせい)が、大きな課題(かだい)になっています。

scene 09まずは外国の人たちと話してみよう

「外国人がなやむ言葉のカベ。支援(しえん)のむずかしさ。そして、多文化共生(たぶんかきょうせい)の問題。う~、頭がパンパンだ! まずは地域(ちいき)の外国の人たちと話をしてみようっと」とコスル。「そのためには、相手の国の言葉も勉強しないとなぁ」と言うドスル。すると、「ドスルは日本語以外(いがい)しゃべれるの?」とコスルに聞かれ、「うるさーい!」とどなってごまかすドスルでした。