あらすじ一覧

企画書の書き方

オープニング

ここは、とある学校。やたらとカタカナ言葉を使いたがるオサダと、アナログ人間のマツオが、情報社会を生き抜く技をプロから教えてもらうお話です。

scene 01マツオが考えた“おそうじフェス”の企画

「おはよーう!」。マツオが教室にやってきました。「わっ、どうしたマツオ?」とオサダはびっくり。髪はボサボサ、顔はきずだらけ、肩には鳥のふんが…。「カラスに襲われたんだよ」とマツオ。「最近、町じゅうのゴミが増えたのが原因で、カラスが集まってきてるらしいからな」とオサダ。すると、「オサダくん、僕ね、この町をきれいにするために、“おそうじフェス”っていうのを考えたんだ」とマツオが言います。「町の人にも協力してもらって、チームでゴミ拾い競争するんだ。で、いちばん多くゴミを拾えたチームが、商店街の割引券がもらえるっていう企画も考えたんだよ」。「素晴らしいじゃないか、マツオ。こういうときはちゃんと企画書を書いて町の人に読んでもらうのが効果的だ」。

scene 02広告会社のプランナーに学ぼう

そう、今日のテーマは、みんなに伝わる『企画書の書き方』。「でもどうやって書いていいか分かんないよ」とマツオ。「そんなこともあろうかと、強力な助っ人を呼んである。滝口さーん」。すると、「呼んだかい?」と滝口さんが現れました。「あっ! あなたは、クラスのマドンナ、滝口さんのお父さん。大手広告会社に勤めていて、あの超有名なお菓子、“プー…”の面白い企画で売り上げをV字回復させるなど、さまざまな企画を考えてきたまさに企画のプロ。その企画書の書き方は雑誌にも取り上げられているんですよね!」。やたらと滝口さんに関して詳しいマツオです。では、滝口さんの企画書のプロセスを見ていきましょう。

scene 03内容がひと目でわかる「タイトルをつける」

「企画書は、企画の内容や、企画によって実現できることを書いたものです。大事なのは、タイトル、課題、企画内容、企画によって実現できるいいこと、の4つです」と滝口さん。ステップ1、『タイトルをつけよう!』。タイトルは、何についての企画書なのかひと目で分かるようにつけます。「そんなの簡単じゃん。“おそうじフェスについて”と…」とマツオ。すると滝口さんが「プー!」とホイッスルを鳴らしました。「タイトルは、相手の興味をひく言葉にすることがポイントです」と言います。

scene 04野望系・選択系・変化系・数字系・疑問系のタイトル

「たとえばこの5つのパターンがあります」と滝口さん。それは、野望系、選択系、変化系、数字系、疑問系の5つ。「野望系のタイトルってなんだ?」とオサダ。「たとえば、“町を圧倒的にキレイにするプロジェクト”」と滝口さん。「なるほど。確かに新しいことに挑戦する感じでワクワクする」とオサダ。「じゃあ、選択系は?」とマツオが聞くと、「“キレイな町か。今のままの町か”」と滝口さん。「選択を迫られてる感じがして、ドキドキする~!」とマツオ。「疑問系ってやつは?」。「“どうしたら町がもっとキレイになるのか?”」と滝口さん。すると、ついつい考え始めてしまう二人です。

scene 05企画のきっかけとなった「課題を書こう」

ステップ2、『課題を書こう!』。「タイトルの下には、企画を立ち上げるきっかけとなった課題を書きます。自分が実際に課題を感じた具体的なエピソードを書くと、相手にとっても身近な課題として伝わりやすくなります」と滝口さん。マツオが具体的に課題を書いていきます。「町にゴミが落ちていてイヤな気分になった。ゴミをあさるカラスにふんをかけられた。カラスに耳元で『もっとゴミ持ってこい』と言われた」。思わず、「それ、妖怪(ようかい)だよ」とオサダ。滝口さんが、「さらに、課題の根拠となる情報を示すことで、より説得力が増します」と付け加えました。

scene 06具体的に何をするのか「企画の内容を書こう」

ステップ3、『企画の内容を書こう!』。「企画内容は、いつ行われるのか、具体的に何をするのかをきちんと書くことが大切です。さらに今回の場合は、当日の服装や、用意するべきものも書くとよいでしょう。イラストや写真を添えることで、読む人が企画内容をイメージしやすくなります」と滝口さんのアドバイスです。

scene 07企画によって実現できる「いいことを書こう」

ステップ4、『企画によって実現できるいいことを書こう!』。「この企画が実現するとどんないいことが起こるのかを書きます。相手にとってプラスになることが伝われば、企画に協力してもらいやすくなるからです」と滝口さん。「企画書が書けたよ」とマツオ。「どれどれ」と目を通すオサダ。「なかなかいいじゃないか。ん? 最後は何だ? ゴミがなくなれば、カラスがいなくなって町がキレイになり、町に人が増える! オサダくんの『おそうじソングライブ』が聴ける♪ マツオ、この最後のは何だ?」。すると、「オサダくんが、“おそうじフェス”を盛り上げるために、おそうじソングを作ってみんなの前で歌うんだよ」。

scene 08プロのプレゼン「今までにがんばったこと」

今回のプロは、アイドル。情報を伝えるためにどんなテクニックを使っているのか、注目して見てみましょう。「私は、10年間アイドルを続けてきました。10年同じことを続けるっていうのはとっても大変なことです。アイドルは楽しいことだけじゃありません。ライブのためのリハーサルを何日間もしたり、その合間にも握手会だったりテレビのお仕事をしたり、どんなに疲れていても、とにかく明るく元気にがんばってお仕事しなきゃいけないときもあります。そんな私が10年アイドルを続けて来られたのは、1つ理由があります。それは、歌って踊ることが大好きということです。どんなに辛くて大変なことがあっても、歌って踊れる楽しさを思い出して、毎日10年間がんばってきました。みなさんも、自分の楽しいこと、嬉しいことを見つけて、とにかくがんばって下さい」。どんなテクニックがあったかな?

scene 09プロのツール「マンダラート」

「やあみんな。僕が作ったアイテム『プ』で、プロのツールに使いかたを聞いてみよう!」とオサダ。『プ』についている吸盤をツールに貼ると、『プ』がしゃべりだすのです。「おれは『マンダラート』。プロは企画のアイデアを考えるとき、おれを使うんだ。よし、みっちり使い方をたたきこんでやる。中心に9つのマスがある。まずは、この中心にテーマを書くんだ。『町をキレイにする』。次はその回りに、具体的な方法を8個考えて書く。アイデアが出なければ、たとえば、何かを作ってみる、みんなですることなど、視点を変えて考えてみるんだ。次は、今書いた8個の項目を、回りの8つのますの中心に書くんだ。そしてその項目からさらに具体的なアイデアを広げていくんだ。アイデアが出ないときは、友だちに意見を聞いたり、さらに情報を集めたりするんだ。あとはこれを見返して、どんな企画書ができそうかを考えるんだ」。共通点や関連性を見つけ、アイデアを広げましょう。

scene 10相手にきちんと伝わるかどうか考えて書こう

「担任の先生からOKもらったよ。印刷もしてきた」とマツオ。「これで町の人たちに説明できるな」と喜ぶオサダ。「よーし。これを紙飛行機にして、みんなに飛ばすぞー」と企画書で紙飛行機を折り始めるマツオ。「マツオ、それは絶対届かない」とオサダが言いますが、「みんな、よろしくう!」と企画書の紙飛行機を飛ばすマツオでした。『企画書の書き方』のプロセス。相手にきちんと伝わるかどうか、考えて書くのが大切なんですね。

scene 11身の回りの仕事のプロの『情報の伝え方』

みんなの身の回りのプロも、文字やイラストで情報を伝えることは大切だと言っています。子どもを預かる保育士さんです。「ふだん子どもたちを保育することもとても大事な仕事なんですが、お便りなどを通して、家庭とのコミュニケーションをとることも、とても大事な保育士の仕事です」。ひと目で分かる見出しをつける。楽しい情報はイラストを使って目立たせる。ほかの先生の意見を聞く。