あらすじ一覧

プレゼンテーションのしかた

オープニング

ここは、とある学校。やたらとカタカナ言葉を使いたがるオサダと、アナログ人間のマツオが、情報社会を生き抜く技をプロから教えてもらうお話です。

scene 01プレゼンの練習をしているオサダ

「昨今のエネルギー問題のように、グローバルで、クールで、セクシーな問題に対し、私たちは今すぐDOしなければなりません。今すぐDOしないとDOしようもない時代に…」。オサダがプレゼンの練習をしています。「ストップ、ストップ。そんなんじゃ僕たちが一年間取り組んできた節電への取り組みがまったく伝わらないよ」とマツオ。「え? DOが弱かったかな。もっと強いDOがいいかな。DO!…」。「そうじゃなくて、オサダくん!」。「なに?」。「一週間後に行われる保護者への発表会に向けて、今からプレゼンテーションの特訓だ!」。そう、今日のテーマは、聞く人の心を動かす『プレゼンテーションのしかた』。

scene 02プレゼンをAIで分析するプロ

すると、「こんにちは」と、2人の前に女の人が現れました。「はっ!」、「呼んでないのに出た!」と驚くマツオとオサダ。その人は…。「あぁっ。伝説のプレゼン女子高校生と言われた河野(かわの)先輩!」。河野さんは、高校1年のときから学者の前でプレゼンを重ねて、今では多くの有名企業のプレゼンをAIで分析するサービスを行っている、プレゼンのプロです。「すごいな」と感心するオサダ。それでは、河野さんの『プレゼンテーションのしかた』のプロセスを見ていきましょう。

scene 03プレゼンの目標を決める

ステップ1、『プレゼンの目標を決めよう』。「プレゼンの目的は、相手の心を動かすこと。そのためには“相手意識”をしっかり持って、『だれに、いつ、どうなってほしい』という目標を決めることが大事なんです」と河野さん。「今回のプレゼンの相手は、クラスの保護者だよね。いつから、どうなってほしいの?」とマツオがオサダに聞くと、「そうだなぁ。おれのプレゼン聞いたらすぐにでも節電してほしいかな。しかもできるだけ長く。最低でも一生」と自信満々のオサダです。

scene 04「思い」を相手に伝える

ステップ2、『目標達成のために「思い」と「データ」を伝えよう』。「『思い』は、相手の心を動かす力を持っているんです。たとえば、節電について学ぶなかで、こうしたい、こうなってほしいと強く感じたこと、それが『思い』です」と河野さん。さっそくやってみるオサダ。「このままだと近い未来、石油や天然ガスなど電気を作る資源がなくなるといわれています。大変なことだとは思いませんか? 僕は、未来の人が使う電気を守りたい。だからみんなと一緒に節電をDOしたいんです」。パチパチパチ。感動して思わず拍手するマツオ。すると、「でも本当に近い未来、資源はなくなるんでしょうか」と河野さんが言いました。

scene 05「データ」で「思い」を裏付ける

「『思い』は大切ですが、それだけでは説得力がありません。『思い』を裏付ける事実や数値など、『データ』が必要です」と河野さん。そこで、「日本は現在、電力の8割を火力発電に頼っています。このデータを見て下さい。実は、その火力発電に必要な燃料はおよそ50年でなくなるといわれています。だから僕は50年後の未来の人たちの電気を守りたいんです!」とオサダ。迫力あるプレゼンに、思わず未来が心配になるマツオです。「ちなみに、思いを強く伝えると、相手の心が動いてすぐに行動してくれる効果が。逆に、データを多く伝えると、相手の記憶に残って長い間行動してくれる効果があるんです」と河野さん。

scene 06資料を使って説得力を高めよう

ステップ3、『資料を使って、心を動かすプレゼンに』。「プレゼンテーションソフトなどを使って、グラフや図を見せながら話すと、さらに説得力が上がります」と河野さん。そこで、「たとえばエアコンの暖房を使う時間を一日たったの1時間減らすだけで、一年で約10リットルの原油を節約できるんです」と図を見せるオサダ。でも、「何これ、見にく!」とマツオ。画面の情報が多いと、話を聞くことに集中できなくなってしまいます。伝えたい情報が一目でわかるようにしましょう。「また、思いを強調したいときは、写真と一緒に大きく『キーワード』を出すと効果的です」と河野さん。「僕たちが少しがまんすれば、未来に暮らす子どもたちや…」。オサダの熱いプレゼンが続きます。

scene 07プロのプレゼン「効果的な整理整頓のしかた」

今回のプロは、予備校の講師。情報を伝えるためにどんなテクニックを使っているのか、注目して見てみましょう。「今日のテーマは、デスク周りの片づけ。私が便利だと思っている方法を紹介するよ。まず、デスク周りがちらかる原因の一つは、プリント。それを解決する方法がずばり、捨てちゃうこと。そのとき活用したいのが、スマートフォン。プリントをもらったら、写真を撮ってスマホに保存して、捨てる。そうするとすべてのプリントはこのスマホの中。しかも、ファイルに名前を付けて保存すると、キーワード検索で、必要なファイルだけが画面上に並ぶよ。便利だよね。デスク周りが片づくと、時間が短縮できる、集中力がアップする、といいことづくし。ぜひ参考にしてみてね」。どんなテクニックがあったかな?

scene 08プロのツール「PREP(プレップ)」

「やあみんな。僕が作ったアイテム『プ』で、プロのツールに使いかたを聞いてみよう!」とオサダ。『プ』についている吸盤をツールに貼ると、『プ』がしゃべりだすのです。「おれはPREP(プレップ)。プロはプレゼンの内容を考えるとき、おれをよく使うんだ。たとえば、テーマは『給食のメニューの提案』。まず、主張したい結論を考える。給食で『月に一度世界各国のメニューを加えてほしい』。次は、そう持った理由を書く。『世界の料理を知り多文化理解につなげる』。さらに、具体的な例を考える。たとえば、『各国の料理にはその国の文化がある』。そしてもう一度結論を書き、主張を強調する。『月に一度世界各国のメニューを加えてほしい』。伝えたいことがより強調されて整理できたろ」。「あら、TAPS(タップス)のほうが伝えたいことが明確になるわよ。え、時間がない? 詳しくはホームページで~」。

scene 09原稿の暗記ではなく、自分の言葉で

「逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ…」。オサダがぶつぶつ言っています。「オサダくん! 保護者の人たちもう体育館に集まって、プレゼンまだかって言ってるよ」とマツオ。「うるさいな! 今原稿暗記してるんだからさ、静かにしてよ」とオサダ。「うわ、大丈夫?」と心配になるマツオ。「プレゼンは、原稿の暗記ではいけません。流れを覚えて、あとはスライドのキーワードを見ながら、自分の言葉で話しましょう。そのほうが相手の心に届きますよ」と河野さんのアドバイスです。『プレゼンのしかた』。相手意識をしっかり持って、「思い」と「データ」のバランスを考えることが大事なんですね。

scene 10身の回りの仕事のプロの『プレゼンのしかた』

みんなの身の回りの仕事のプロも、相手の心を動かすためにプレゼンをしています。旅行会社の人です。「何か困っていること、悩んでいることがあって来られる方が多いので、それをよく聞いてニーズを把握して、さまざまな情報から解決策を探し出して、お客様に合うと思われる目的を、プラスアルファを付けてプレゼンテーションするように心がけております」。相手の興味・関心を聞き、旅行プランをプレゼン。写真や映像を用いて、より具体的なイメージを伝える。