あらすじ一覧

動画で伝える技(2)取材・撮影編

scene 01前回のあらすじ

「しらべる、まとめる、つたえる」。この技(わざ)、大切だけどむずかしい。“し・ま・った!”。――今回、動画作りに挑戦(ちょうせん)するのは、ヒロタロウ、ソウヤ、チハルのAグループと、キヨト、キイ、ミクのBグループです。『小学1年生に上手なそうじのしかたを説明しよう』をテーマに、1分以内の動画を作りました。しかし…、必要な情報(じょうほう)を調べずに撮影(さつえい)したり、見せたいものが写っていなかったり。“しまった!”な動画になってしまったのです。

scene 02「動画で伝える技」三つのポイント

「この“しまった!”を解決(かいけつ)するためのポイントを覚えているか?」とデーモン閣下(かっか)。「『ポイントその1.動画の目的にあった情報(じょうほう)を集める』。『ポイントその2.動画のねらいをしぼる』。『ポイントその3.見る人が分かるように工夫する』。これらのポイントをふまえて、もう一度動画を作ってもらおう。今度は、“しまった!”なことにならないようにな」。

scene 03動画にあった情報を集める

さっそく、ポイントその1.動画の目的にあった情報(じょうほう)を集めます。インターネットや本でそうじのしかたを調べて、気になる情報をどんどんメモしていきます。ソウヤのメモには、「1年生」とあって、「そうじについて分からないことがありますか?」などいくつか質問(しつもん)が書かれています。「1年生が知っていることを動画にのせてもつまらないし、動画が成り立たないから、分からないことを1年生に質問したい」とソウヤが言います。

scene 041年生にインタビューして情報集め

ということで、1年生にインタビュー。「ほうきを使っていて、むずかしいなと思ったり、こまったりしたことはありますか?」とソウヤ。すると、「ちりとりを持ってほうきではくときに、はきにくい」という答え。たしかに、ちりとりにごみを入れるのはちょっとむずかしい。さらに、「すきまにはさまっているほこりをはらいたいけど、はらえない」という答えも。これで、1年生のほしい情報(じょうほう)がわかりました。さらに、「先生に聞いたほうがいいのかな?」とミク。「どういうふうに指導(しどう)されているのか、本当にそのやり方で正しいのかとか」とキイも正しい情報を知りたいようです。

scene 05学校の先生にもインタビュー

そこで、ふだんからそうじのしかたを教えている、小学校の先生にもインタビュー。「すきまをそうじするときに気をつけていることってなんですか?」とキヨトが聞いてみると、「ほうきの横の角を使うといいと思います」と先生が言います。さらに、「ほうきを横に動かすのではなく、たてに使うと細いところまできれいになります」と教えてくれました。1年生がなやんでいた、「すきまをそうじする方法」の情報(じょうほう)が手に入りましたね。OK!

scene 06Bグループのねらい『すみずみまできれいにするコツ』

「1年生や先生にインタビューして、必要な情報(じょうほう)を集めることができたな。次は、ポイントその2.動画のねらいをしぼる」と閣下。まずは、たくさん集まった情報から、動画に必要な情報を書き出し、そのなかで、動画でいちばん伝えたいことを選びます。「やっぱり、すきま」とキイ。そこで、キヨト、キイ、ミクのBグループは、先生に教えてもらった“すきまをほうきではく方法”、そして“ふきのこしのないぞうきんがけの方法”を合わせて、『すみずみまできれいにするコツ』を動画のねらいにすることにしました。

scene 07Aグループのねらい『ごみをきれいに集めるコツ』

ヒロタロウ、ソウヤ、チハルのAグループは、1年生がなやんでいた『ごみをきれいに集めるコツ』にねらいをしぼり、ほうきやちりとりの使い方を紹介(しょうかい)することにしました。OK! 「必要な情報(じょうほう)がそろい、やっとねらいが見えてきたな。それを意識(いしき)して撮影(さつえい)にとりかかってもらおう!」と閣下。

scene 08ぞうきんがよく見えない…

『すみずみまできれいにするコツ』をねらいにしたBグループは、まず、教室ですきまをそうじする様子を撮影(さつえい)。「このようなすきまは、ほうきをたてにして、ほうきの角をうまく使ってはきます」と説明しながらとっています。今度はぞうきんの使い方のコツを撮影。とった映像(えいぞう)を見てみると…。あれ? なんだか、かんじんのぞうきんが目立たないような…。

scene 09ちりとりのかたむき具合がよく見えない…

一方、『ごみをきれいに集めるコツ』をねらいにしたAグループ。目立つ大きさのごみを使って、見やすくなるように工夫しています。とっているのは、ちりとりのかたむきが急すぎてごみがうまく入らないことを伝える場面。上から撮影(さつえい)するようです。でも、上からだと、ちりとりのかたむき具合がよく分かりません。「それは“しまった!”だな。そんなことにならないように、“ポイントその3”を思い出せ。見る人が分かるように工夫しろ。撮影しているときには、見る人のことをつねに意識(いしき)するのだ」と閣下。

scene 10背景を工夫しよう

Bグループの動画で、ぞうきんの持ち方を伝えている場面。ホワイトボード、カーテン、温度計、プリントなど背景(はいけい)がごちゃごちゃしていて、かんじんのぞうきんが目立ちません。見せたいものが目立つように、背景(はいけい)を工夫しましょう。さぁ、どこで撮影(さつえい)する? すると、「黒板の前」とキヨト。今度は、背景がすっきりしてぞうきんが見やすくなりました。「うん。いいと思う」とみんな。OK!

scene 11カメラの位置を工夫しよう

一方、Aグループがとった映像(えいぞう)はちりとりのかたむきが見えないので、ごみがうまく集まらない理由が伝わりません。そんなときはどこから撮影(さつえい)するか、カメラの位置を工夫しましょう。「角度があるから横からとって」とチハル。ソウヤが横から低い位置でカメラをかまえました。今度は、ちりとりのかたむきが急なことがよく分かります。ちりとりを上からとるのではなく横からとることで、ちりとりにごみが集まらない理由がよく分かるようになりました。「カメラ、大事だと思った」とソウヤ。ヒロタロウも「位置はやっぱり大事なんだな」と満足そうです。「見る人が分かるように、撮影を工夫できたな。よくやった!」と閣下。OK!

scene 12三つのポイントをわすれずに

「動画作りのコツが、だんだん分かってきたようだな。(1).動画の目的にあった情報(じょうほう)を集めろ。(2).動画のねらいをしぼれ。そして、(3).見る人がわかるように工夫しろ。この三つのポイントを、いつでも、わすれずにな。次はいよいよ『編集(へんしゅう)』だ。動画作りの道もあと一息だぞ。吾輩(わがはい)もちょっと一休みするか。ふははははは」と、閣下は言いました。