あらすじ一覧

メディア・リテラシー入門 ~ネットの情報~

scene 01『放課後トレンド情報』のネタを考える

「今日の放送は、『朝ごはんちゃんと食べてる?』をテーマにお送りしました。いかがでしたか?」。ユウタがマイクに向かって話しています。「ぼくたち放送委員会では、動画チャンネルで『放課後トレンド情報(じょうほう)』も配信中です。そっちも見てね。では、このあとの昼休みもお楽しみ下さい。以上、芽出ヶ丘中学校放送委員のユウタでした」。ブースの外からユウタにOKサインを出すミクとトシヤ先生。ブースから出てきたユウタに、ミクが「ユウタ、放課後作る動画ネタ、今決めとこうよ」と言いました。「トレンド情報だよね。OK」。

scene 02サイトのおすすめニュースを見てみると…

ユウタがパソコンで“モッフー”のおすすめニュース画面を開きます。「あ、このニュースいいじゃん。対戦格闘(かくとう)ゲーム『godファイティン』が日本上陸!」。すると、「え、godファイティン? それ、モッフーのおすすめニュース?」とミク。「うん、いちばん上。ほら」。でもユウタのパソコン画面を見たミクは、「あれ? わたしのおすすめとちがう…」と言いました。ミクのおすすめニュース画面をのぞきこんだユウタは、「なんだこれ? メイクとファッションばっかじゃん」。するとトシヤ先生が、「ちなみに、わたしの画面にもその『godファイティン』の記事はありませんね」と言いました。

scene 03おすすめ記事の画面が3人ともちがう?

「おれはゲームで、ミクはファッション。先生は犬と文学…」。「みんなラインナップが全然ちがう」とミク。「それぞれの好みが出てますね」とトシヤ先生。すると、「あ、見て、おれのラインナップ。『godファイティン』をディスってる記事もあるよ。『godファイティン』をおすすめできない3つの理由って何だよ!」とユウタ。「いろんな意見がまざり合ってるんですね」とトシヤ先生。不思議に思ったミクは、『おすすめニュース 違(ちが)う なぜ』というキーワードで検索(けんさく)してみました。すると、「あ…、『あなたのためにカスタマイズ。おすすめのニュースがちがうわけ』。ちょっとこの動画見てみようよ」。

scene 04多くの人にとどけるべき“トピックス”

日本最大級のポータルサイトを運営(うんえい)しているIT企業(きぎょう)。マスコミなど400社あまりから一日およそ7000本の記事の提供(ていきょう)を受けています。サイトのニュースは大きく二つの部門、“トピックス”と“タイムライン”に分かれています。“トピックス”とよばれるコーナーは、だれにでも同じニュースが表示(ひょうじ)されます。政治(せいじ)や災害(さいがい)など、多くの人が知っておくべき情報(じょうほう)です。トピックスの記事は、編集(へんしゅう)者が24時間体制(たいせい)で選んでいます。7000本から一日100本ほど厳選(げんせん)され、重要さが伝わりやすいようにタイトルもつけ直しています。

scene 05利用者の関心に合わせた“タイムライン”

一方、“タイムライン”は、利用者ごとに表示(ひょうじ)されるニュースが変わる「利用者の関心に合わせた」ニュースです。記事を選んでいるのはAI。たとえばドラマに関心のある人がAというドラマについてあらすじや出演(しゅつえん)者の記事を見たとします。するとAIが、その人が閲覧(えつらん)した記事から「Aというドラマに関心がある」と判断(はんだん)。Aに関するそのほかの話題や、興味(きょうみ)のありそうなほかのドラマの記事などを送ってくるのです。タイムラインでは多くの記事を比較検討(ひかくけんとう)して読むことができます。この企業(きぎょう)では多くのニュースから情報(じょうほう)を便利に受け取ってもらうために、意図して伝え方を変えているのです。

scene 06興味のあるニュースばかり追いかけると 

「みんなに向けてのニュースと、自分だけに向けたニュースがあるんだ。知らなかったな」とミク。「でも、便利じゃない? 自分がほしいと思った話題を次々と送ってくれるんだから」とユウタ。トシヤ先生も「一つの話題についても、賛成(さんせい)から反対まで幅(はば)広くいろいろな記事が提供(ていきょう)されるわけですからね」。「でも気をつけないと、自分の興味(きょうみ)あることばかり追いかけちゃう」とミク。すると、「いいんじゃない? 好きなことにどんどんくわしくなれるし」とユウタが言います。「けど、ほかの情報(じょうほう)にうとくなったり、無関心になったりしない?」とミク。「うーん、そう言われると、おれもファッションとか犬のこととがあんまりよく知らないな。でもそこまで拾いきれないよ」とユウタ。

scene 07検索履歴によって広告が変わることも

するとトシヤ先生が、「いい気づきですね。実は、ネットの動画サイトや広告なども、これまでのみなさんの検索履歴(けんさくりれき)やクリックした履歴によって変わることがあるんですよ」と言いました。「言われてみれば、通販(つうはん)サイトでも勝手におすすめが出てくるね」とミク。「そうなんです。そうした、情報(じょうほう)が伝わるしくみを知って、情報とどう向き合うか考えることを『メディア・リテラシー』というんです」とトシヤ先生。「メディア・リテラシー?」とユウタ。「情報がたくさんある今だからこそ、大切な考え方なんですよ」。

scene 08情報を読みといたり発信したりする能力

“メディア”とは、新聞・テレビ・雑誌(ざっし)などのマスメディアのほか、ウェブサイト・SNSなど、「情報(じょうほう)を伝える手段(しゅだん)」のことです。情報の送り手はメディアを使い、意図を持って発信しています。“リテラシー”とは、「読み書きする能力(のうりょく)」のこと。つまり“メディア・リテラシー”とは、文字を読み書きするように、メディアが伝える情報を読みといたり、情報を発信したりする能力のことをいいます。SNSがさかんになり、だれもがかんたんに情報を発信したり受け取ったりすることができる今。なぜメディア・リテラシーを学ぶのか、専門(せんもん)の先生に聞きました。

scene 09自分で調べて判断することが大事

「メディアは送り手の意図で構成(こうせい)されているという特性(とくせい)があり、人の生活に影響(えいきょう)をあたえるものです。送り手の情報(じょうほう)発信の意図や、情報を伝えるしくみの理解(りかい)が必要になると思います。そのしくみを理解していると、情報をうまく判断(はんだん)できるようになる。また、そこであつかわれていない情報に関しても、ほかの見方・情報があるのではないかと考えて調べる行動につながるわけです。うのみにしてしまうのではなく、いろいろ自分で調べて判断することが大事だと思います」(日本大学文理学部教授 中橋さん)。

scene 10自分で判断するには…

「情報(じょうほう)には、それぞれ送り手の意図があったんだね」とユウタ。「たしかに、さっきのニュースの話もそうでしたね」とトシヤ先生。「しくみはわかったけど、自分で判断(はんだん)するって、何をどうしたらいいんですか?」とミク。すると、「それはわたしも、目下勉強中です。むしろ、生まれたときからデジタルに親しんでいるあなたたちに聞きたいくらいですよ。ね、ユウタさん」とトシヤ先生が言いました。そう言われて、「え、マジで? どうする、ミク?」とおどろくユウタ。「え? そうね、まずはさっきのニュースを題材に考えてみようか」。「うん…」。