あらすじ一覧

春の海(宮城 道雄 作曲)

春の海  宮城道雄(みやぎ みちお) 作曲

島々が美しい景観(けいかん)を
織(お)りなす瀬戸内海(せとないかい)

「春の海」は 宮城(みやぎ)道雄(みちお)が
瀬戸内(せとうち)を旅した時の思い出を

尺八(しゃくはち)と箏(こと)の音にのせて
つづった曲である

波 鳥の声 櫓(ろ)漕(こ)ぎの音は

幼くして失明(しつめい)した彼に
ひときわ鮮(あざ)やかな印象を残した

広島県福山市鞆(とも)の浦

道雄の父の故郷である

父や祖母が語るこの港町の情景は
幼い彼の心に深く刻まれた

祖母に励まされ
やがて道雄は箏の名手になる

「春の海」には まだ見ぬ鞆の浦への
思いが込められていたのかもしれない

宮城道雄(1894~1956)

フランス人バイオリニスト
ルネ・シュメーとの共演によって

この曲と宮城の名は
広く世界に知れ渡った

邦楽(ほうがく)にとどまらず 西洋音楽にも親しみ
新しい箏曲(そうきょく)を生み出した宮城道雄

この曲は 今や日本の代表的な調べとして
世界中で親しまれている