昔、フランスに、麦畑の広がる村がありました。ある日、麦畑の上を、ひばりの夫婦が相談しながら飛んでいました。「今年はどの麦畑におうちを作ろうか」そこへ、麦畑でお百姓さんが話しているのが聞こえてきました。お百姓さんは、となりの畑のお百姓さんに、麦が実ったとき刈るのを手伝ってほしいと頼んでいたのです。それを聞いたひばりは、今年はこの麦畑に巣を作ることに決めました。
春、ひばりの赤ちゃんが２羽生まれました。元気に育った子ひばりは、麦畑に遊びに行き人間たちが話すのを聞いてしまいました。「明日は、近所の人たちに頼んで麦刈りをしよう」それを聞いた子ひばりは大あわてでおうちに戻りお母さんたちに伝えます。「明日麦を刈りにみんなが来るから、急いで引っ越さなきゃ！」。ところがかあさんひばりは少しもあわてることなく…。（作者：ラ・フォンテーヌ　お話：香椎くに子）