薬物依存症のきっかけはマリファナ。先輩に「アメリカの煙草だよ」と言われて…
かつて薬物依存症に陥ったエリさん(仮名・29)。きっかけは13歳のときに先輩に「アメリカの煙草だよ」と言われて吸ったマリファナだった。吸ったときは「とにかく笑いっぱなしなんです」
軽いノリで手を出した覚醒剤も2~3日するとハマっていた
覚醒剤もバイト仲間に「やる?痩せるよ」と言われ、軽いノリで手を出した。だが「2~3日すると結局ハマっちゃうんです。トイレの電気とか鏡の周りのタイルとかもすごくキレイに見えて30分以上トイレにいました」
覚醒剤の怖さは「1回吸ったらやめられない。もうやるしかないんですよね」
「1回吸ったらたぶんやめられない」と話すエリさん。「その瞬間が今までの人生で一番いい場面になっちゃう。切れた瞬間から高熱でフラフラして、1回吸えばシャキってなるから、もうやるしかないんですよね」
子どもを託児所に忘れたり、お腹を空かせたてストローをかじっていたり…
生活には支障をきたした。「ずーっとやっていくうちに子どもを託児所に忘れちゃったり。洗い物や家事もできてなかったので、何日前かに頼んだ出前の残った漬物やストローだけを子どもがかじってたりとか」
ガサ入れで逮捕されたとき「おまわりさんにずっと、ありがとうございますと言ってた」
エリさんは23歳のときに逮捕された。「ガサ入れでおまわりさんを見た瞬間、『ありがとうございます』ってずっと言ってて。助かったって思って。ずーっと自分の中で葛藤してたんですよ、やめたい、やめたいって」
10人前後の共同生活を通じて依存症克服を目指す日本ダルク
薬物依存症の治療を行う病院や施設はさまざまだ。中でも代表的なのが日本ダルク。全国にあるこの施設では、10人前後の共同生活を通じて依存症克服を目指している。エリさんはここで2年間生活していた。
自分のことを口に出すと楽になる
日本ダルクではミーティングでなぜ薬物をやったのかなど、テーマを決めて話をする。「口に出した方が楽になる」とエリさん。そのほかにも薬物以外の楽しみを見つけるねらいで、ダルクごとに独自のプログラムを行う。
怖くて泣いた社会復帰、今は「普通に家族であいさつし合えるのが一番幸せ」
今は社会復帰して仕事をしているエリさん。最初は普通の人と接するのが怖くて面接の前に泣いたという。でも「ふだんおはようから始まっておやすみまで、普通に家族であいさつし合えるのが一番幸せかなって思います」
薬物依存症だった女性が、ガサ入れや更生施設での生活を告白
ねほりんぱほりん
友人に「アメリカのたばこ」と言われて吸ったマリファナがきっかけで薬物中毒に。薬を打ちながらの壮絶な子育て、逮捕の瞬間に思ったこと、不安でたまらず泣いた社会復帰、ひとりの女性が波乱万丈の人生を語る。(ねほりんぱほりん)