お父さんと子どもがブランコに乗っています。行ったり来たり。今度はいっしょに始めてみます。「せーの！」。あれ？　いっしょに始めたのにそろいません。すると…、「何？　そのふしぎ！　調べテミルン！」と、ふしぎモンスターのテミルンが現れました。身のまわりのふしぎ、どうしたら確かめられる？　予想通りなら、どうなるはず？

ゆれるブランコの、行ってもどってくる時間に注目してみましょう。お父さんと子ども、２人同時にスタートします。「せーの！」。でも、ゆれる動きがそろいません。往復する時間がちがいます。なぜでしょう。別のブランコに乗っている２人の子ども。こっちは…、動きがそろっています。往復する時間は同じ。では、お父さんと子どものブランコの往復する時間がちがうのは、何が関係していると思いますか？

今日は、東京学芸大学附属（ふぞく）小金井（こがねい）小学校のみんなと考えてみましょう。みんなは、何が関係していると予想したのでしょうか。まず、「長さ」が関係しているという予想。「長いほうはゆれがおそくて、短いほうはゆれが速い」。ブランコの長さが長いと往復する時間が長くなるという予想です。すると、「はばも関係があるかもしれない」という予想が出ます。ブランコのふれるはばが大きいと、往復する時間が長くなると考えたのです。

さらに、「重いから速くいくってありそう」という予想も出ました。乗っている人の重さが関係しているという予想です。ほかにも、自分の体験からこんな予想を立てた子たちもいました。「人の力でおしたほうが、ゆれが速くなる。ブランコもおしたら速くなるから」。小さいころ、親がおしてくれたことを思い出して、人の力を加えると、往復する時間は短くなるという予想です。

みんなの予想では、往復する時間に関係しているのは「長さ」、「ふれはば」、「重さ」、そして「人の力」です。なかでも、「重さ」の予想には３つの意見がありました。ひとつは、「重いと往復する時間は短くなる」。もうひとつは逆に、「軽いと往復する時間は短くなる」。そして最後は、「重さは関係ない」というもの。「重さは関係あるのかな？　ないのかな？　気になる！」（テミルン）。

重さは関係ないと予想したグループが考えた調べ方は…。「重さのちがう鉄球の大と小で２つ、同じ糸の長さで作ってやってみて、往復する時間が同じだったら重さは関係ないってことになる」。なるほど。「でも、重さが関係ないなら一体何が関係するの？　ぼくは、重さは関係すると思うよ。重いと往復する時間は短くなるはず。だから、重くするためにたくさんのおもりをつけたよ！」とテミルンの実験開始。すると…。「あれぇ？　重さは変えた。長さは同じにした。でも、重いほうがおそくなっている？　うーん、何かちがう…？」（テミルン）。

ゆれるものが往復する時間のちがい。ほかの予想はどうでしょう。どうやって調べてみる？　ふれはばについての調べ方を考えたグループは…。ふれはばを大きくしたら、往復する時間は長くなるはずと考えました。どうやって調べるのか聞くと、「45度とか90度とか60度とかいろんな角度からやってみる」と言います。

長さが関係していることを調べようとしているグループは…。ひもの長さを長くしたら、往復する時間は長くなるはずと考えました。どんなことに気をつけて調べるのかというと…。「調べたいのは長さなので、ひもの長さを10cmと30cmの２つを作り、おもりのねん土の重さは同じにして、同じ地点から『せーの』ではなして速さにちがいがあるか調べようと思います」。調べたいのは「長さ」。だから、それ以外の「ふれはば」と「重さ」を同じにするのです。

そして、人の力を加えることに注目したグループは…。１往復したときに、かたほうに人の力を加える、という調べ方です。「人の力を加えるって、どうするの？」とテミルン。「角度と長さを合わせた上でいったん両方ともはなし、１往復したところでかたほうにだけ手で力を加える。それでどう速さが変わるのか」を調べると言います。勢いのついたおもりは速く動くから、往復する時間は短くなるはずと考えたのです。「なるほど。でも、おすとふれはばは変わらないの？　みんなの調べ方、いっただきま～す！」とテミルン。

「むしゃむしゃ、もぐもぐ、うま～い！」。調べ方を食べてしまうと、テミルンの体からポンッと何かがいくつか出てきました。みんなが見つけた、ゆれるものの往復する時間のちがいを調べる方法です。たくさん見つけました。「うーん。ぼくももっともっと調べたくなってきちゃった！」とテミルン。ゆれるものの往復する時間はどうしてちがうのか。ほかにはどんな調べ方があるのかな？ 「考えテミルン！」。