昆虫食レストランがフィットネススタジオに併設。イチオシのガパオライスには…
去年渋谷にオープンしたばかりのフィットネススタジオは昆虫食レストランを併設している。イチオシのメニューはカイコのサナギが載ったガパオライス。他にも乾燥させたコオロギやスーパーワームなどが料理に登場。
昆虫のトッピングでハム1枚半分のたんぱく質をプラス!
インストラクターにも好評の理由は豊富なたんぱく質。ガパオライスに昆虫をトッピングするとハム1枚半ほどのたんぱく質がプラスできるという。体内にたんぱく質を作り出す方法は昆虫によって実に様々だ。
カイコの幼虫がまゆを作るために吐く絹糸の原料はたんぱく質
5千年以上も前から人間に飼育されてきたカイコ。まゆを作るために幼虫が吐く絹糸の原料は、たんぱく質で出来ている。これが体内で作られる時、力を発揮するのがGOGATと呼ばれるグルタミン酸合成酵素。
カイコにたんぱく質が多いのは人間がかけ合わせてきた結果
食べたものが体内で分解される時、GOGATの働きでたんぱく質が作られる。他の昆虫に比べ、カイコはこのGOGATが特に多い。太古より人間が大きなまゆを作るカイコをかけ合わせてきた結果と考えられている。
害虫・シロアリは空気からたんぱく質を作り出せる!
木材を食い荒らす害虫として有名なシロアリは、地球上に最も多く生息する昆虫といわれ、動物たちにとっては重要なたんぱく源だ。実は一部のシロアリの仲間は、何と空気からたんぱく質を作り出せる。
シロアリが空気からたんぱく質を作れるのは腸内にいるスーパー細菌のお陰
腸の一部に共生する原生生物の中にいる細菌が、空気中の窒素からアミノ酸を合成。それをシロアリが吸収し、たんぱく質を作り出す。シロアリはこの細菌のお陰で食べ物から摂取しなくてもたんぱく質を作り出せるのだ。
昆虫界随一の身体能力!バッタの胸や後ろ足には筋肉がぎっしり
バッタの身体能力の高さは昆虫界でも随一。CTスキャンで体内を見てみると、後ろ足や羽の付いている胸を中心にぎっしり筋肉が詰まっている。これほどの筋肉を作るにはたくさんのたんぱく質が必要だ。
トノサマバッタの主食・イネ科の植物にはたんぱく質は少ないけれど
トノサマバッタ養殖農園でたんぱく質の作り方を見せてもらう。バッタの主食はイネ科の植物で、たんぱく質はそれほど多く含まれていない。ではどのように蓄えているかというと…食べて食べて食べまくる!
トノサマバッタのたんぱく質は大食漢作戦の賜物
実はバッタは超大食漢。成長期には1日に自分の体重の3倍もの量を食べる。いわば体重50kgの成長期の子が1日150kg食べるようなもの。バッタはこの大食漢作戦でたんぱく質を蓄えていたのだ。
カイコ、シロアリ、トノサマバッタ…昆虫食人気の源はたんぱく質
サイエンスZERO
フィットネススタジオに昆虫食レストランが併設されるなど、注目されている昆虫食。人気の秘訣はたんぱく質が豊富に含まれていること。食用にできる昆虫「カイコ」「シロアリ」「トノサマバッタ」などがどのようにして体内にたんぱく質を作り出すのかを探り、未来の食糧源「昆虫食」の最新研究に迫る!(サイエンスZERO)