火星に生命体は存在するか? NASAのロケットが火星に到着
火星に生命体は存在するのか。NASAの火星探査車パーシビアランスを乗せたロケットが7カ月かけて火星に到着、着陸態勢に入った。探査機着陸の成功率は4割。火星の着陸ミッションは恐怖の7分間と呼ばれている。
NASA開発のスカイクレーンで探査車が火星着陸に成功!
火星の大気は地球の100分の1以下の密度。パラシュートだけでは減速できないため、NASAが開発したのがスカイクレーン。強力な逆噴射で減速、上空から探査車を吊り下げて地上に下ろす。無事、着陸に成功した。
35億年前の湖で生命の痕跡探しがいよいよ始まる
パーシビアランスが探査する場所はジェゼロ・クレーター。35億年前には湖だった。科学者たちが注目したのが、かつて川が流れ込んで出来たと考えられる三角州。ここで生命の痕跡探しがいよいよ始まろうとしている。
前世代のキュリオシティより困難な調査に挑むパーシビアランス
今回探査するエリアは、1世代前の探査車キュリオシティが探査した場所と比べて岩が多く地形も複雑。パーシビアランスの探査計画では険しい道をキュリオシティのおよそ2倍、10kmも移動しなければならない。
走行距離を2倍以上に伸ばせる自律走行システムを開発
そこでNASAが開発したのが、1日当たりの走行距離をキュリオシティの2倍以上に伸ばせる自律走行システムだ。NASAジェット推進研究所エンジニアの小野雅裕さんはパーシビアランスの開発・運用を担当する。
障害物を回避せず乗り越えられるよう人工知能を進化
これまでは岩などの障害物がある場合、周囲2.5mを走行禁止とするプログラムだった。パーシビアランスでは自律走行を制御する人工知能を進化させ、危険のない小さな障害物は乗り越えて走行する方法を開発した。
新しいアルゴリズムで45分、31mの走行に成功
さらにこれまで目の前数mほどの経路しか検討しなかったのが、新たなアルゴリズムでは複雑な選択肢から適切なルートを選択することが可能に。2021年7月、パーシビアランスは45分、31mの走行に成功した。
火星から史上初のサンプルリターン計画
今回、史上初めて挑戦するのが火星からのサンプルリターン計画。アームの先に付いているドリルで岩石を採取する。サンプルは細長い容器に入れ、重さなどを確認した後、密封して内部に格納する。
火星生命の痕跡が見つかるか? サンプルは2030年代半ばまでに地球に帰還
探査車が置いたサンプルの容器を、ヨーロッパ宇宙機関の探査車が回収。ロケットで火星上空に打ち上げ、周回機が回収して2030年代半ばまでには地球に持ち帰る計画。ついに火星生命の痕跡が見つかるかもしれない。
火星生命体は見つかるか? 進化した探査車とサンプル採取計画
サイエンスZERO
NASAの火星探査車パーシビアランスがついに火星の大地にドリルをねじ込みサンプル採取に挑んだ!場所は35億年前に湖があったことがわかっている直径45キロメートルのクレーター跡。広大な範囲を調査するために装備されたのが、NASAジェット推進研究所の小野雅裕さんらが開発した自律走行システム。アルゴリズムを徹底的に見直し、走行距離を2倍以上に伸ばすことに成功!さらにドリルをねじ込んで採取したサンプルをどうやって地球に持ち帰るのか?注目です。(サイエンスZERO)