ステーキや卵だけではない!タンパク質は人体に10万種類存在
タンパク質といって思い浮かぶのは美味しそうな牛肉のステーキや卵。でも私たちの体を作る筋肉や皮膚、遺伝子から生命の設計図を読みだすのもすべてタンパク質。人体には10万種類のタンパク質が存在するという。
人体の重要なタンパク質のほぼ全てを試験管で人工合成する技術が日本で誕生!
その中でも重要なタンパク質のほぼ全てを試験管の中で自由に合成する技術がなんと日本で誕生し、生命科学に大変革を起こしている。人のタンパク質は大体2万8000種類までそろえられるようになったという。
動物や植物の優れたタンパク質も自在に作れるように
他の動物や植物の優れたタンパク質も自在に作れるように。これは蚊の膜タンパク質を使ったにおいセンサー。「呼気の中のがんに関連するにおい物質を検出します」と神奈川県立産業技術総合研究所・大崎寿久さん。
蚊のタンパク質で人類が作れなかったセンサーを開発
蚊の口には高性能な嗅細胞がある。その細胞膜にあるタンパク質に汗が発するオクテノールというにおい物質が一つでも触れるとスイッチが入る。「生物の強みを使えば人類が作れなかったセンサーを作ることができます」
肝臓がん患者の息からオクテノールを検出するにおいセンサー
大崎さんたちは肝臓がん患者の息にオクテノールが増えることに着目。蚊のタンパク質にオクテノールが触れるとイオンが流れるセンサーを開発。普通の機械では検出不可能なごく微量のオクテノールの検出にも成功した。
肝臓がんの早期発見も可能に~生物の優れたタンパク質を活用して
このセンサーを使えば極めて低い濃度でにおい物質を検出でき、肝臓がんをごく初期の段階で見つけられると考えられている。生物のスーパーパワーを機械と融合することで病気をいち早く発見できる時代が近づいている。
タンパク質の人工合成技術が日本で誕生・がんの早期発見にも!
サイエンスZERO
生命活動に欠かせない物質、タンパク質。人体にはおよそ10万種、地球上には900億種もあると言われている。そんな重要物質を試験管の中で自由に合成する技術がなんと日本で誕生!薬の副作用をなくす研究や、昆虫のタンパク質を利用した高性能なバイオマシンの開発など生命科学の研究を大きく前進させている。そんな私たちの生活を変えうるタンパク質の人工合成研究最前線に迫る!(サイエンスZERO)