ティラノサウルスにトリケラトプス、恐竜たちの繁栄のピークだった白亜紀後期
およそ9000万年前の白亜紀後期。ティラノサウルスやトリケラトプスなど、有名な恐竜たちが進化を遂げ、繁栄のピークだった時代。日本にどんな環境が広がりどんな生き物が暮らしていたのかは謎に包まれていた。
岩手県久慈市でティラノサウルス類などの化石が続々発見
ところが近年、岩手県久慈市でティラノサウルス類などの化石が次々に発見されている。発掘の対象となっているのは玉川層と呼ばれる地層。これまでに脊椎動物の化石30種類以上、2351点が見つかっている。
古生物学者・平山廉さん「当時の生態系を化石で残してくれている世界でも珍しい場所」
古生物学者で早稲田大学国際教養学部教授の平山廉さんは地元の博物館と共同で発掘を行ってきた。掘り始めると文字通り化石がザクザク出てくる。「当時の生態系をそのまま化石で残してくれる世界でも珍しい場所です」
軟らかい地層だから細かい化石も見つかる。高校生の大発見も!
玉川層は地殻変動による熱や圧力の影響を免れ、手で崩せるほど軟らかいため、細かい化石でも見つけることが出来る。一般人の大発見もあり、3年前にティラノサウルス類の歯を見つけたのも、岩手県内の高校生だった。
D形の断面でティラノサウルス類の前歯と特定
見つかった化石は歯の一部で、全体は2cmほどだったと見られている。ティラノサウルス類と特定する決め手になったのは歯の断面。アルファベットのD形なのは、ティラノサウルスの前歯でしか見られない特徴なのだ。
ティラノサウルスの姿を推定・体長3mで全身には羽毛が
大きさや形状などが似ていたのが中国の同時代のティラノサウルス類。研究チームはティラノサウルスの姿を推定した。体長はおよそ3m。全身を羽毛が覆い、ずらりと鋭い歯が並ぶ。前足の指は3本に分かれている。
「最大級の肉食恐竜?」→意外と小型だったティラノサウルス
「ティラノサウルスというと非常に大きな最大級の肉食恐竜というイメージがあるけど、久慈で出てきた歯を見ると小指の爪ぐらいの大きさなのでかなり小型の肉食恐竜だと分かりますよね」
久慈の発見から白亜紀の日本を復元! 1年中温暖で様々な命が溢れる世界
番組では白亜紀の環境の復元に挑戦した。水辺の生き物たちが食事をし、時には命を懸けた争いを繰り広げていたかもしれない。1年中暖かく、様々な命が溢れる世界。久慈での発見により、白亜紀の日本が見えてきた。
久慈市で恐竜の化石がザックザク!見えてきた白亜紀ニッポン
サイエンスZERO
恐竜の時代として知られる白亜紀。しかしそれらの繁栄のピークだった白亜紀後期、日本にどんな環境が広がりどんな生き物が暮らしていたのかは謎に包まれていた。ところが近年、岩手県久慈市でティラノサウルスの仲間の化石など当時の環境を復元する手がかりが次々に発見されている。調査から見えてきたのはマングローブが生い茂り熱帯の生き物が歩き回る、アマゾンのように命あふれる世界。(サイエンスZERO)