カルデラ・火山活動…阿蘇山の新事実が最新研究で続々と
熊本県・阿蘇山は世界有数の南北およそ25kmの巨大カルデラ地形を有する。今も続く活発な火山活動、湧き上がる大地のエネルギーはどこから来るのか。最新研究で阿蘇の自然に関する新事実が次々と見つかっている。
中岳の火口にある湖のもとはマグマに含まれる水分
現在も火山活動を続ける中岳。火口には直径300m、深さ35mの湯だまりという湖がある。マグマは大量の水を含んでいて、何らかの形で地下から上がってきて火口で湯だまりになると考えられている。
阿蘇山のカルデラがかつては湖だった痕跡が外輪山の切れ目・立野火口瀬
阿蘇山の巨大なカルデラもおよそ9000年前まで湖だったという。外輪山の切れ目・立野火口瀬はその水が流れ出た場所と考えられる。地形を見るとカルデラを囲む外輪山の西側に深い切れ目が入っているのがわかる。
阿蘇山のカルデラの切れ目にまつわる神話
阿蘇にはこの切れ目にまつわる神話がある。健磐龍命(たけいわたつのみこと)が外輪山を蹴破って水を抜き、阿蘇に人が住めるようにしたという。2016年の熊本地震ではこの神話を彷彿とさせる出来事が起きた。
熊本地震後に活断層を発見、大地の営みは暮らしの場を形作る
甚大な被害の原因は地下に潜んでいた活断層。この活断層が何度も動いて外輪山に切れ目ができ、カルデラの中で人が暮らせるようになったと考えられる。大地の営みは被害をもたらす一方で暮らしの場を形作ってきた。
阿蘇山のカルデラはかつて湖だった!暮らしの場を形作った活断層
サイエンスZERO
活発な火山活動を続ける熊本県・阿蘇。南北およそ25キロメートルの巨大カルデラ地形に、見渡す限りの大草原が広がる。この雄大な景観が生まれた秘密を最新科学で読み解くと、地下深くから湧き上がり、大地をも動かす巨大なパワーの源を発見。さらに、日本有数の広さを誇る草原には、縄文時代から続く人間の営みが深く関わっていることも見えてきた。阿蘇の1年を記録した映像とともに“人と自然の絆”を徹底解剖する。(サイエンスZERO)