中国デジタル躍進のキーワード1「インターネット人口」1国で10億人が利用
中国デジタル躍進のキーワードの1つは「インターネット人口」。世界約80億人のうち約52億人がインターネットを利用しているといわれており、中国のインターネット人口は、人口14億人のうち10億人。
中国が世界のインターネット人口の5分の1を占める
世界のインターネット人口約52億人のうち中国が約10億人で5分の1を占める。アメリカは約3億人、日本は約1億人。中国全体で1日65億時間インターネットに接続しており、常に膨大なデータが行き交っている。
中国デジタル躍進のキーワード2「Eコマース」。小売市場における割合が世界で突出
2つめのキーワード「Eコマース」とは、インターネットを通じてものやサービスなどを売り買いする電子商取引。中国は小売市場におけるEコマースの割合が43.9%と世界でも突出している。
安くて便利なEコマースが中国デジタルを支えている
中国のEコマースは店頭で買うより2~3割安い。便利なスマートフォンアプリも多く、隙間時間でネットショッピングをする人が多い。老若男女が利用するEコマースが中国発のデジタルサービスを支えている。
中国デジタルはビッグデータを分析し、グローバルに展開
この2つを軸に中国デジタルはグローバルに展開。中国のテック企業は利用者から得た膨大なビッグデータをAIを活用して分析。的確な問題を見つけサービス改善につなげ、新たなニーズを発掘し商品開発に生かす。
競い合うことで中国のテック企業は米中2強にまで躍進
こうしたサイクルを中国国内で各企業がものすごいスピードで行う。さまざまな企業が競い合ったうえで優れたサービスのみが世界に展開される。こうして中国のテック企業は米中2強にまで躍進した。
「中国のEコマースは安くて速くて競争も厳しい」と中国ビジネスに精通する森川亮
中国ビジネスに精通する経営者・森川亮さんは「EC(Eコマース)の方が安いし、頼むと生鮮食品も3時間後に届いたり。プラットフォームからのプレッシャーもあって競争が厳しくて、どんどん安くなるところはある」
「中国はモバイル決済が普及し、決済の壁が無いのがすごい」と尾原和啓
「中国がすごいのは決済の壁っていうのが無いんですよね。外に行けば財布を持たずになんでも買えるぐらいモバイル決済が普及していたので、オンラインにも順応できた」とIT批評家・尾原和啓さん。
中国旅行にペイメントサービスは必須、現金は嫌がられる
クリエイティブ・ディレクターの陳暁夏代さんによれば、日本から旅行に行くとペイメントサービスに入っていないとかなり不便だという。「現金持っていくと偽札とかリスクがあるから逆に嫌がられる」と尾原さん。
「非言語に近いUI・UXが発達したのでスムーズに海外市場に参入できる」と陳暁夏代
「10億人に使ってもらおうとすると、UI・UXが限りなく非言語に近くて誰が見ても感覚で次に進めてしまうようなデザインが発達したと言われていて。非言語なのでスムーズに海外市場に参入できる」と陳暁さん。
日本のデジタルにできること「分散しているデータを集めて付加価値をつける」
人口の少ない日本でも頑張る手段はあるのか?「1つはいろんな会社にデータが分散しちゃっているものを集めることによって付加価値をつける。日本も人口1億人以上いますからいろんな活用の方法はある」と森川さん。
中国は自動販売機で自分の顔にフィットしたサイズのマスクが買える
中国ではAI×自動販売機も進化し、カメラに向かうと自分の顔にフィットしたサイズのマスクが買える。「トイレに行って顔認証すると1回分の紙はタダで出る、というくらいデジタルが最適化している」と尾原さん。
モモコグミカンパニーも感動!中国の進化系自動販売機
「自動販売機ってもともと便利なものとしてとらえていたんですけど、AIが組み合わさったらオフラインの買い物よりも全然楽というか、日本でもできたらいいな」とモモコグミカンパニーさん。
伊沢拓司も驚く中国デジタル躍進の鍵はデジタル人口とEコマース
令和ネット論
動画投稿アプリ「TikTok」や、ファッション通販サイト「SHEIN」、ECアプリ「Temu」など、中国発のアプリやインターネットサービスが、いま世界を席巻している。アメリカと並ぶ「デジタル2強」へと躍進を遂げた秘密を「インターネット人口」と「Eコマース」というキーワードから解き明かすとともに、日本が学ぶべきポイントを議論する。(令和ネット論)