はちみつは花の種類や産地によって千差万別、チョコレートや和食にも
琥珀(こはく)色に輝く“はちみつ”は花の種類や産地によって味や香りが千差万別。はちみつの個性を生かしたチョコレートや和食、蜜と一緒に採れるハチの巣で作る蜜蝋のキャンドルなど、楽しみ方もいろいろだ。
対馬では丸太をくり抜いた蜂の巣“蜂洞”が民家の庭先に
長崎県対馬では昔ながらの方法ではちみつを採取している。道沿いの斜面には丸太をくりぬいて作る蜂の巣・蜂洞(はちどう)が点在、民家の庭先にも設置されている。蜜蜂との暮らしが島の日常に根付いている。
セイヨウミツバチの侵入を防ぎ、純粋なニホンミツバチだけで
対馬にいるミツバチは野生の「ニホンミツバチ」のみ。「セイヨウミツバチ」などの外来種が侵入し、バランスが崩れるとはちみつが出来なくなってしまう。対馬の花の植生により、味も他のはちみつとは全然違うという。
ニホンミツバチが集めた百花蜜を年に一度採取
森に設置した蜂洞へ向かう。ニホンミツバチの採蜜は秋のたった一度。採取できる百花蜜とは、複数種の花から集めた蜜のこと。巣が下に落ちないように少しずつ鎌で切り取り、全部は採らず、次回のために残しておく。
蜜蜂と共生する対馬の暮らし
採ってきた蜂の巣を一つずつ潰す。さらしでこしてそのまま1週間ほど、はちみつがしたたり落ちるのを待つ。柑橘系の果実を思わせるふくよかな味が特徴だ。蜜蜂と共生する島の暮らしがふるさとの味を守り続けている。
対馬のはちみつ・人と蜜蜂が共生するふるさとの味
美の壺
長崎県対馬にいるミツバチは野生の「ニホンミツバチ」のみ。絶えず外来種の進入に脅かされながらも、植生や生態のバランスを崩さないよう島の人々が守り続けてきた。採れるハチミツは、まさに「対馬の花の味」。他とはまったく違う独特の味わいだという。秋に行われる年に一度の採蜜の様子と、ミツバチと共生する暮らしを見つめた。(美の壺)